日本の卵生産者がアニマルウェルフェアの権威ある賞を受賞

2024年10月21日、フランス・パリで行われた「グッド・ファーム・アニマル・ウェルフェア・アワード」において、日本の「自然放牧場お多福たまご」とナチュラファームの「ナチュラファーム平飼いたまご」、および「ecocco」が受賞の栄冠に輝きました。このアワードは、動物福祉や持続可能な食品生産に積極的に取り組む企業を讃えるもので、世界中から49社が選ばれました。

「グッド・ファーム・アニマル・ウェルフェア・アワード」の意義

国際畜産動物福祉団体CIWF（Compassion in World Farming）が主催するこの賞は、畜産動物の福祉向上に貢献した企業を評価することに重点を置いています。過去にはマクドナルドやスターバックス、ユニリーバなど、多くの著名企業が受賞してきました。今年も数多くの企業が、鶏、豚、ウサギのケージフリー（平飼い）飼育を推進することで評価され、動物福祉の重要性が再確認されました。

受賞企業は、アニマルウェルフェアや持続可能な食品生産において重要な進展を示し、企業が動物、人々、地球にとって意義ある変革を促進する力を持っていることを証明しました。

受賞企業の詳細

「自然放牧場お多福たまご」は、持続可能で倫理的な養鶏を追求しながら、高品質の放し飼い卵を提供しています。広大な自然環境で鶏が自由に動き回れることを重視しており、365日放し飼いの方針を貫いています。代表の福重智寛氏は、受賞について「光栄に思う。自然と調和した鶏の飼育を続けていきたい」と語っています。

一方、ナチュラファームは2006年にアジア初のエイビアリーシステムを導入し、以降ケージフリー養鶏の普及に注力しています。約30,000羽の鶏をケージフリーで飼育しており、2029年までにその数を60,000羽に増やす計画が進行中です。代表の一柳憲隆氏は、「グッドエッグアワードを受賞したことを誇りに思う」とし、消費者にケージフリーの卵を届ける意気込みを示しました。

アニマルウェルフェアへの貢献

アニマルウェルフェア・コーポレート・パートナーズ（AWCP）の上原まほ氏は、CIWFのアワードが企業の評判を高め、地域でのケージフリー推進のリーダーとしての地位を確立するとの期待を寄せています。「日本での受賞者が増えていることは、国内のアニマルウェルフェアへの関心が高まっている証拠です」とコメント。

世界的な影響力

CIWFのグローバルフードビジネスディレクターであるDr. Tracey Jones氏は、受賞企業がもたらすポジティブな変化の広がりに驚嘆しており、幅広いジャンルの企業が参加していることが、持続可能な未来に向けた道筋を明示しています。

このように、日本の卵生産者が国際的に評価されることは、アニマルウェルフェアに対する新たな潮流を促進しており、これからの鶏の飼育環境に関する変化を期待させます。