沓名美和がAAEF Art Center副館長に就任
このたび、アジア芸術教育基金会が運営する上海のAAEF Art Centerに新たに副館長として迎えられたのは、美術史家の沓名美和氏です。彼女の就任は、アジアの現代アートシーンに新風を吹き込むことが期待されています。
沓名美和の経歴
沓名美和氏は、現代美術の専門家として、数々の重要な役割を果たしてきました。多摩美術大学や魯迅美術学院で教鞭を執りながら、一般社団法人OPEN ART LやREBIRTH ASIAなどの団体を運営し、アートの普及活動にも力を入れています。彼女は中国清華大学で博士号を取得しており、日本、韓国、中国を行き来しながら、各国のアートの研究と交流に取り組んでいます。
「もの派」に焦点を当てた展覧会
2024年11月8日から始まる大規模な展覧会「もの派の淵源 位相大地を中心に」では、戦後日本のアートシーンを代表する「もの派」に焦点を当てます。この展覧会では、関根伸夫の代表作である《位相-大地》に結びつく二人のアーティストの活動を振り返り、その歴史的背景と意義を探求します。展示内容はアーカイブ資料や専門家によるフォーラムも含まれる予定であり、来場者には「もの派」に対する理解が深まる機会を提供します。
AAEF Art Centerについて
2023年11月、AAEF Art Centerは中国・上海の朱家角古鎮にオープンしました。元は工場だった2800平方メートルの巨大なスペースを利用し、アジアの現代アーティストによる多様な表現が展示されています。また、アートイベントの開催や調査研究にも尽力し、「もの派」の研究を進めるためのアーカイブにも取り組んでいます。さらには、美術大学の学生を対象としたグローバルな奨学金プログラムの創設も計画しており、今後の発展が期待されています。
今後の展望
AAEF Art Centerが新たに放つ物語に、期待が高まります。沓名美和氏は「近くて遠い、似て非なるアジアのアートの魅力をお届けできることを嬉しく思います」と述べており、中国と日本、韓国のアートが交差する場としての役割を果たすことが、彼女の新たな使命です。「もの派」に関する新しい議論を生み出し、アジア全体にその影響を及ぼす展覧会となることを願っています。
この展覧会を通じて、アジアにおける現代アートの理解が深まり、多くの人々がその魅力を再発見することができるでしょう。来年の11月には、AAEF Art Centerで繰り広げられるアートの旅に、多くの方々が訪れることを願っています。