双葉電子工業が消防本部に災害対応ドローンを納入
千葉県の茂原市に本社を置く双葉電子工業株式会社は、近年増加する自然災害に対応するため、災害時の人命救助を支援する「災害対応ドローン」を長生郡市広域市町村圏組合消防本部に納入しました。このドローンは、孤立地域での状況把握や情報伝達、救命用具の運搬を迅速に行えるよう設計されています。
災害に強い社会の実現に向けた取り組み
最近、台風や豪雨による水害、土砂災害が全国で頻発し、多くの地域で被害が発生しています。茂原市でも、令和元年や令和5年の台風で大きな被害を受け、主要施設や住宅が浸水し、交通も麻痺しました。このような背景から、地域の安全・安心を確保するために、長生消防でのドローン導入が必要とされました。
今回納入されたこのドローンは、「FMC-02」という産業用ドローンに、動画カメラ、スピーカーユニット、物件投下装置を追加搭載したものです。上空からの動画撮影によって被災状況を確認しつつ、広域アナウンスも行える機能を備えています。また、救命用具などを迅速に投下することも可能で、被災者救助の大きな支援が期待されます。
お披露目会とドローンの特長
11月20日には、納入機体のお披露目会が行われ、長生消防の関係者や地元の首長、議員の皆様が参加しました。会場ではドローンのフライトデモも行われ、本機の性能が実際に確認される場となりました。
このドローンは、防水性能等級が3以上であり、悪天候の中でも運用可能です。さらには、動画機能により被災状況を把握する手助けをし、スピーカーによって300メートルの距離からでもクリアな音声をアナウンスすることができます。浮き輪や救命胴衣などの資機材を迅速に搬送・投下する機能もあり、非常時における迅速な対応が可能となっています。
双葉電子工業の今後の展望
双葉電子工業は、これからも全国の消防機関や自治体の災害対応力を強化するために、ドローンの販売、メンテナンス、修理対応を行うとともに、運用人員の育成・トレーニングにも力を入れています。地域社会でのドローンの利活用を推進し、災害対応やインフラ点検など、さまざまな社会課題の解決に寄与していく考えです。
最新技術を駆使したこのドローンの導入は、防災における新たな取り組みとして、多くの地域に影響を与える可能性があります。これからも期待される防災技術の進化を見守りたいところです。