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イノアックコーポレーションが新しい断熱材「フレキシブルエアロゲル」を開発

株式会社イノアックコーポレーション (以下、イノアック) の技術研究所が、高性能断熱材「フレキシブルエアロゲル」の量産プロセスを成功裏に開発しました。この技術は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 (NEDO) の支援のもとで進められ、産業技術総合研究所と共同で実施されました。この断熱材の大きな特徴は、その柔軟性と加工性にあります。

開発の背景

近年、環境への配慮から、省エネルギーや熱管理の重要性がより一層高まってきました。特に、自動車や住宅、電子機器など多様な分野では、高性能かつ柔軟な断熱材が求められています。従来の真空断熱材やシリカエアロゲルなどは、優れた断熱性能を持っているものの、形状の制約や脆さ、粉落ちといった課題があります。このような状況の中、イノアックと産総研は、2014年から共同で「フレキシブルエアロゲル」の開発に着手し、さらなる改良を進めてきました。

量産プロセスの確立

2017年度からNEDOのプログラムを通じて、大型サンプル作製のためのプロセス開発が始まりました。その結果、フレキシブルエアロゲルの量産プロセスが確立され、長さ30メートルのロール状試料が作製されるようになりました。このプロセスによって、柔軟性や成形性が高い高性能断熱材を低コストで大量に生産できる見込みが立ちました。

具体的な成果と課題

本技術の革新により、シリカエアロゲルとポリプロピレンの複合材料において、超臨界乾燥のプロセスを改善しました。従来の方法では容器のサイズや形状の制約がありましたが、流体解析シミュレーションを実施することで、ロール状の断熱材を効率的に乾燥させることが可能になりました。また、プレス機による熱成形試験の結果、さまざまな形状に成形できることも確認され、製品の高い加工性が証明されました。

今後の展望

フレキシブルエアロゲルの商業化が進む中、安価な原料の開発やユーザー企業向けのサンプル提供を行い、さらなる実用化を目指しています。今後は、自動車や住宅、家電など、さらに広範な分野での活用が期待され、これにより省エネルギー性や安全性の向上に繋がると考えられています。また、2019年1月には、東京ビッグサイトで開催されるENEX2019およびnano tech 2019において、新素材を展示し、業界内外への情報発信を図る予定です。

まとめ

イノアックコーポレーションの「フレキシブルエアロゲル」は、高い断熱性能と柔軟性を併せ持ちながら、低コストでの大量生産が可能イベントです。これは、自動車や住宅、電子機器などに幅広く応用できる可能性を秘めています。特に、持続可能な社会に向けての重要な一歩と言えるでしょう。今後この技術がどのように普及し、環境への貢献が果たされるのか、注視していきたいと思います。

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