新たな温度特性評価を可能にする「M91 FastHall Station」
株式会社東陽テクニカは、米国のLake Shore Cryotronics社製の比抵抗/ホール測定システム、「M91 FastHall Station」の温度特性評価範囲を拡大したことを発表しました。このシステムは、半導体の材料評価を目的としており、従来の測定方法に比べて高速かつ高精度での測定が行えます。
進化の背景
近年の半導体需要の高まりに伴い、企業は材料をより迅速に計測する必要に迫られています。半導体や電子材料は多岐にわたり、それぞれ異なる特性を持っています。そのため、比抵抗やホール効果測定技術が重要になってきています。
「M91 FastHall Station」は、コンパクトで省スペースな設計ながら、温度範囲が従来の78Kから500Kまで拡大されました。この新しい特性対応は、半導体生産ラインにおける効率的な品質検査に大きく寄与することでしょう。
特徴と利点
この新システムでは、Lake Shore社の特許技術を用いて、高速・高精度な測定を実現しています。特に注目すべき点は、磁場反転を必要としない測定方法です。これにより迅速な測定が可能となり、生産工程をスムーズに進められます。
さらに、活性化エネルギーの変化や結晶構造の転移点など、室温測定だけでは確認できない特性の発見が期待されています。この技術は、パワーデバイス材料や太陽電池材料、熱電子素子などの新規半導体材料の評価にも最適です。
利用シーン
「M91 FastHall Station」は、業界内での普及を目指し、特に基礎研究や生産管理において幅広く活用されることでしょう。ウエハー製造の生産ラインでは、品質検査のスピードと精度が求められるため、その効果は特に顕著です。また、プログラミング不要で操作可能なMeasureLINK-MCSソフトウェアが搭載されており、ユーザーは自身のニーズに合わせた測定が行えます。
今後の展望
東陽テクニカは、今後も「M91 FastHall Station」を通じて、半導体材料の生産工程の品質向上に注力します。私たちは業界における技術革新を推進し、安全で効率的な生産体制の構築に貢献していく所存です。
発表イベント
「M91 FastHall Station」は、2024年9月16日から20日まで新潟で開催される「第85回応用物理学会」にて初めて披露されます。最新技術を体感し、多くの方々にその利便性を実感していただければと思います。
詳細な情報は、
東陽テクニカの公式サイトでご覧いただけます。また、公式イベントサイトもチェックしてください。