バイウィルとSCSK、脱炭素化を促進する新たな提携
2023年、株式会社バイウィルとSCSK株式会社が、脱炭素社会の実現に向けた資本業務提携契約を締結しました。この提携は、個々の企業が行う脱炭素対応を超えて、サプライチェーンや地域全体への広がりを持たせることを目的にしています。
背景と目的
脱炭素社会実現を目指す中で、企業の取り組みは個別のものから広域な連携へと進化しています。サプライチェーン全体の取り組みを取り入れることが必要となっており、取引先や地方自治体、地域金融機関など、多様なステークホルダーとの連携を支える仕組みが求められています。
バイウィルは、全国の47都道府県においてカーボンニュートラルを達成することを目指し、カーボンクレジットを核にしたソリューションを提供してきました。過去には120以上の自治体や地域金融機関と連携し、地域経済の活性化とGXの推進を図っています。
一方、SCSKは、デジタル・IT技術を基盤にしたGX支援サービスを長年提供してきました。そして最近では、中小企業向けにCO2排出量の算定を行う「CO×COカルテ」を開始しました。このように、両社は脱炭素化に向けてそれぞれ異なるアプローチを取っていましたが、今回の提携によってその力を結集する運びとなりました。
提携の意義
この資本業務提携により、両社はそれぞれの強みを活かして、企業が直面する脱炭素対応の負担を成長機会に変える目指し、様々な施策を実施します。具体的には、バイウィルのノウハウとSCSKのデジタル技術を融合させ、脱炭素経営を経済的な価値に転換する仕組みを構築します。
今後、バイウィルが持つネットワークやノウハウを活用して「CO×COカルテ」を展開するとともに、SCSKの「EneTrack」プラットフォームを通じて、国際的な証書「I-REC」などの環境価値の創出と流通も推進します。これにより、CO2排出量の可視化や削減、環境価値の柔軟な利用といった多面的な支援が可能になります。
未来へのビジョン
この提携は、単なる企業間の協力関係に留まらず、地域全体やサプライチェーンを巻き込んだ持続可能な「循環型GXエコシステム」の構築を目指すものです。これを実現するために、データ連携や共創を促進する「環境サプライチェーン・プラットフォーム(環境SPF)」構想も進められます。
企業概要
株式会社バイウィルは、カーボンクレジットの創出や売買、脱炭素コンサルティング、地域のブランド育成など、多面的な視点で企業や自治体の脱炭素経営を支援するコンサルティング企業です。
一方、SCSK株式会社は、コンサルティングサービスからシステム開発、ITマネジメントまで幅広いITサービスを提供。従来のビジネス課題の解決を目指し、新しい挑戦にも積極的に取り組んでいます。
このように、バイウィルとSCSKの提携は、現代における企業の持続可能な成長と社会貢献を同時に実現するための重要なステップと言えるでしょう。両社の今後の取り組みに注目です。