出産と育児に関する新たな視点
東京都が実施した「令和7年度男性の家事・育児実態調査」の結果が発表され、多くの家庭における家事や育児の現状に新たな光が当てられました。この調査は、都内に住む男女5,000名を対象に行われ、特に注目される点が多くあります。
調査の背景
調査は、家事や育児に関する男女間の時間差や満足度の変化を明らかにすることを目的として実施されました。分析には専門家も関与しており、夫婦間のコミュニケーションギャップや新たに浮かび上がった課題にも注目しています。
家事・育児時間の男女差が縮小
調査によれば、男性が家事や育児にかける平均時間は3時間29分、女性は7時間48分で、その差は4時間19分ですが、前回の調査からは1時間以上縮小しました。特に女性の育児時間が減少していることが際立っています。これは、両親が育児に対する理解を深め、協力していることの結果とも言えます。
幸せな家事分担
家事・育児の分担に対する満足度は依然として男女間で差がありますが、女性の満足度は前回の調査から大幅に改善。家事や育児に関して、双方が求めるのは「自由時間」であり、実際、要求された自由時間の長さの格差が問題視されています。平日での自由時間は男女ともに約2時間ですが、週末では男性が90分ほど長く取っているという点も興味深いです。
感謝の伝え方におけるギャップ
調査結果の中で、「感謝を伝える頻度」についても興味深い発見がありました。男女ともに、「配偶者に感謝を伝える頻度」はほぼ毎日であるとの回答が多かった一方、配偶者から「感謝される頻度」で男女間に大きなギャップが見られ、これはコミュニケーションの改善の余地を示唆しています。
育業に関する認識の変化
男性の育業取得率も増加傾向にあります。0歳児の父親の約65%が育業を取得し、そのうちの約33%が1か月以上育業を行ったとのこと。育業についての前向きな意見が増えているのは、社会全体の意識の変化を反映しているのかもしれません。
寝不足の現状
最後に、家事や育児、仕事における過度の努力が、パパもママもともに「寝不足」を招いていることも見逃せません。調査では、男性の約3人に1人、女性の約4人に1人が「6時間未満」の睡眠時間であると答えています。これは健康面でも懸念される結果です。
結論
今回の調査結果は、家事や育児における男女の意識や温度差を明らかにし、今後の家族のあり方や制度の改善につなげるための重要なステップとなるでしょう。東京都では、この調査を通じて育児に対する意識を高め、さらなる支援策を展開していくことでしょう。皆さんもこの結果を元に、身近な育児や家事について考えるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。