医療とブロックチェーン
2020-06-26 11:02:38
ブロックチェーンで進化する医療データ共有—患者ファーストの新サービス
ブロックチェーンで進化する医療データ共有
近年、テクノロジーの進化に伴い、医療業界でもデジタルトランスフォーメーションが加速しています。その一環として、株式会社レシカと千葉大学医学部附属病院の研究チームが協力し、ブロックチェーンを利用した患者ファーストの医療データ共有サービスが開発されました。本記事では、この新たな取り組みの詳細とその背景を紹介します。
プロジェクトの概要
株式会社レシカ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:クリス ダイ)は、千葉大学医学部附属病院と共同で、医療データを医療従事者と患者の間で安全に共有するための新しい仕組みを構築しました。このプロジェクトでは、患者が自身の診療データを所有し、必要な際に医療者と共有できる環境を整備しています。特に注目されるのは、患者自身が医療者に対して信頼度を設定できる点です。
この研究は、千葉大学医学部の基盤研究事業の一環で実施されており、遺伝子データは同大学の大学発ベンチャーであるゲノムクリニックから提供されています。これにより、より多面的な医療データの活用が期待されています。
背景にある課題
日本政府が掲げるソサエティ5.0の実現に向けて、医療分野におけるデジタル化は重要な課題です。フィジカル空間とサイバー空間との壁、さらには組織やシステムの壁が医療リソースの有効活用を妨げています。特にCOVID-19の影響で、物理的に病院に行けない患者が増加し、医療のデジタル化が益々求められています。そこで、ブロックチェーン技術を利用することによって、患者が自身のデータを安全に管理し、シェアするためのインフラが整備されようとしています。
プロジェクトの詳細
現在、プロジェクトは初期段階にあり、医療従事者同士や患者との間で安全にデータを共有するためのアプリケーションプラットフォームが開発されています。このプラットフォームは、将来的に医療現場での実践的な運用を目指しており、患者のクオリティ・オブ・ライフ(QOL)を向上させるためのさまざまなユースケースを模索しています。
また、外部の医療機関や企業との連携も強化し、新しいアプリケーションの開発を進めていく予定です。これにより、患者の幅広い診療データの有効活用と安全な共有が実現されることを目指しています。
千葉大学医学部附属病院の役割
千葉大学医学部附属病院は、患者の意思を尊重し、先端医療の開発と優秀な医療人の育成に努めています。同病院の特徴は、人間の尊厳と先進医療の調和を重視し、信頼される医療機関としての地位を確立することです。また、遺伝子診療部では、新しい技術を取り入れた診療が行われています。
ゲノムクリニックの使命
ゲノムクリニックは、ゲノムデータの活用を通じて「知ることで救える命を増やす」ことを目指しています。千葉大学医学部に発生したこのベンチャーは、技術、社会、倫理の側面から多岐にわたる研究を行っており、未来の医療にプラスの影響を与えることを目指しています。
まとめ
株式会社レシカと千葉大学医学部附属病院によるブロックチェーンを利用した医療データ共有の取り組みは、医療分野におけるデジタル化の新たな一歩です。このプロジェクトは、患者の権利を重視し、安心して医療データを管理・共有できる社会を実現するための重要な試みであり、今後の展開に注目が集まります。
会社情報
- 会社名
-
株式会社レシカ
- 住所
- 東京都千代田区大手町1-6-1 大手町ビル6F Insipired. Lab
- 電話番号
-