2025年10月 M&Aサマリー
2025年10月、M&A市場が驚異的な成長を見せ、総件数は117件で前年同月比26件の増加を記録しました。取引総額は1兆8959億円に達し、前年同月比で約3倍に伸びています。この成長は、特に海外における積極的な投資と、国内のデジタルトランスフォーメーション(DX)需要の高まりが影響しています。
過去最高数のM&A件数
10月のM&A件数は、これまでの記録を上回り、過去最多となりました。2025年も累計取引総額が17兆3514億円に達しており、これは2008年以降で2番目に大きな数字です。これらのデータは、M&A Onlineが上場企業の適時開示情報を基に集計したものです。
海外案件が多数
今回のM&Aで注目すべきは、海外案件の多さです。具体的には、ソフトバンクグループがスイスのABBからロボティクス事業を約8187億円で買収することを発表しました。ABBの幅広い顧客基盤や技術がソフトバンクのAIロボット事業を強化することが期待されています。
他にも、日本電気(NEC)がアメリカのCSG Systems Internationalを子会社化、太平洋セメントがVulcan Materialsから生コン工場を取得、パーソルホールディングスがフランスの人材派遣プラットフォームGojobを子会社化するなど、海外での大型案件が続出しています。
国内M&Aのトレンド
一方、国内市場に目を向けると、急増するDX関連のニーズが顕著です。大和ハウス工業は半導体工場やデータセンターの建設開発に力を入れており、住友電設をTOBで子会社化しました。この動きは、サブコン需給の逼迫を背景に、工事体制の安定を図るものです。また、オリックスもアイネットをTOBで子会社化し、AIインフラ事業への投資を加速しています。さらに、富士通はAIとデータ分析に強みを持つブレインパッドの人材を取り込み、デジタル技術での社会課題解決に貢献する事業モデル「Uvance」を推進しています。
M&A Onlineの紹介
M&A Onlineは、2025年7月に創立10周年を迎えたメディアで、企業の合併・買収(M&A)をより身近に感じ、深く理解することを目的としています。社会課題である後継者問題や、日本経済の革新を促進するため、日々情報を発信しています。詳しくは
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まとめ
2025年10月のM&A市場は、件数・金額ともに過去の記録を塗り替える結果となり、特に海外案件が多数を占める一方で、国内ではDX関連の取引が増加していることが印象的です。企業は変化する市場のニーズに応じて、なんとか新たなビジネスモデルを模索しているようです。