開成山大神宮が電気火災から守られる
2024年10月10日、福島県郡山市に位置する開成山大神宮は、河村電器産業から寄贈された「プレトラックコンセント」の設置を受けることになりました。この活動は、毎年11月11日の「配線器具の日」に合わせて行われ、電気火災の未然防止を目的としています。
電気火災の現状
日本全体で火災の件数は年々減少していますが、電気設備による火災は悪化の一途をたどっています。東京消防庁によると、2023年のデータでは全火災件数に占める電気設備機器火災の割合が34.9%にも上っています。主な出火原因は「維持管理不適」で、この現状を改善するために河村電器産業は新たな技術を開発しました。
プレトラックコンセントの開発
河村電器産業が2006年に開発した「プレトラックコンセント」は、独自の検出回路を採用しています。このコンセントは、微小な放電を感知すると自動的に電気を遮断し、アラームで利用者に通知することで、トラッキング現象による火災を未然に防ぎます。トラッキング現象とは、プラグがコンセントに差し込まれたままの状態が続くと、周囲にホコリが溜まり、湿気により放電が発生し、最悪の場合、火災を引き起こす恐れがある現象です。このような危険から重要文化財や地域の神社仏閣を守るために、寄付を行っています。
開成山大神宮との関係
開成山大神宮は、安積開拓に従事した人々の心の拠り所として創設された神社で、伊勢神宮の御分霊が奈良されていることから「東北のお伊勢さま」とも呼ばれています。郡山市との防災協定に基づき、地域貢献活動を行う中で、今回の寄贈が実現しました。プレトラックコンセントは拝殿に設置され、今後の安全な祭事活動を支えることになります。
今後の展望
河村電器産業は今後も、重要文化財や歴史的価値のある建物の電気安全を守るため、同様の活動を続けていく意向です。また、配線器具の日を通じて、一般市民に向けて早期点検や高機能配線器具への交換を促進し、安全な暮らしを実現するための啓発活動も進めていく予定です。
過去の寄贈実績
河村電器産業はこれまでにも、京都府の建仁寺や薬師寺など、全国の多くの寺社にプレトラックコンセントを寄贈してきました。これにより、多くの文化財を火災から守り、地域社会の安全に貢献しています。
まとめ
今回の寄贈は、開成山大神宮だけでなく、地域全体にとっても大きな意義がある取り組みです。電気火災のリスクを最小限に抑えるため、科学技術を駆使した企業の努力が、地域の文化生活に寄与していくことを期待しています。