2025年景気見通し：企業の先行きに不透明感が漂う中の調査結果

2025年の景気見通しに見る不安材料と企業の認識

日本経済の2025年に関する見通しが明らかになりました。帝国データバンクの最新調査によれば、景気回復を見込む企業はわずか7.7%にとどまり、これは5年ぶりに1割を下回る厳しい数値です。一方で、「踊り場」局面とされる企業も41.7%に上り、依然として多くの企業が不透明な経済状況に警戒感を強めています。

経済の動向を振り返って

振り返ると、2024年の日本経済は日経平均株価の過去最高値更新や平均賃上げ率が過去最高を記録するなど、一時的な明るさを見せました。しかし、急速な円安に伴う原材料費の高騰や生活必需品の値上げが影響し、個人消費の回復は遅れているのが現状です。また、観光業や輸出関連産業は比較的好調であったものの、全体の景気回復にはまだ距離があるようです。

景気見通し調査の概要

この調査は2024年11月18日から30日までの期間に行われ、全国から2万6880社が対象でした。最終的に1万939社から有効回答が得られ、回答率は40.7%でした。

調査結果では、2025年の景気に対する見解として「回復」局面と考える企業が前回調査から減少した一方で「悪化」局面とする企業は増加しています。特に中小企業においては「悪化」を考える割合が高く、今後の景気回復に対する期待が薄れていることが読み取れます。

懸念材料とその影響

2025年の経済において最も大きな懸念材料として挙げられたのは「原油・素材価格の上昇」で、46.2%の企業がこれを挙げています。また、金利や米国経済の動向も懸念されており、特に金利の上昇は24.1%の企業から指摘されています。これは日本銀行が政策金利の追加引き上げを決定した影響で、今後も注意が必要です。

景気回復に必要な政策

景気回復のために求められる政策としては、「人手不足の解消」が40.5%で最も高い支持を得ています。また、「個人向けの減税」や「消費拡大策」も重視されており、企業や消費者双方のニーズに応える政策が求められていることが明らかになりました。これらの施策が実施されない限り、景気が回復する兆しは見えてこないかもしれません。

企業の声

調査に応じた企業からは、年間を通じての動向に対する意見が寄せられています。中には、旅行やインバウンド需要の増加をポジティブに捉える意見もあれば、電気代や原材料費高騰を懸念する声も多く見受けられます。また、具体的な政策への期待感もあり、特に減税政策に対する期待は高まっているようです。これは、景気回復のためには政府の積極的な施策が求められるという強いメッセージとなっています。