医療的ケア児の受け入れを支援するオンライン研修:フローレンスが保育士・看護師向けプログラム提供開始
認定NPO法人フローレンスは、2021年の医療的ケア児支援法施行後、増加する医療的ケア児の受け入れニーズに対応するため、保育士・看護師向けのオンライン研修『フローレンスの「医療的ケア児保育」はじめて研修』の提供を開始しました。
この研修は、医療的ケア児を保育園で受け入れるために必要な基礎知識や考えを身につけることができるプログラムです。オンラインで研修動画を受講し、さらにフローレンスが運営する「障害児保育園ヘレン」での現場体験研修に参加することで、実践的な知識を習得できます。
医療的ケア児の受け入れに向けた課題とニーズ
医療的ケア児は、全国で約2万人いると推定されています。2014年にフローレンスが日本初の障害児専門保育園「ヘレン」を開設した当初は、医療的ケア児の受け入れ先が不足し、保護者は24時間ケアに追われ、仕事を諦めざるを得ない状況でした。
医療的ケア児支援法の施行により、医療的ケア児の保育園入園は増加傾向にありますが、受け入れにあたっての不安や課題を抱える保育園も多く存在します。フローレンスは、これまで東京都内の自治体や保育園に対して、対面の座学研修や訪問指導を実施してきましたが、地方からのニーズも高まっていることから、オンライン研修の提供に至りました。
研修内容:オンラインと現場体験で実践的な知識を習得
研修プログラムは、フローレンスの長年の保育事業経験と、これまでの研修参加者の意見を反映して作成されました。オンライン研修は全9講義で、医療的ケア児とは何か、医療的ケア児家庭を取り巻く環境、遊びの工夫、地域の関係機関との連携、体調不良時の対応など、幅広い内容を網羅しています。
さらに、現場体験研修では、「障害児保育園ヘレン」で、実際に子どもたちの日常援助や保育活動に参加することができます。医療的ケアや食事介助の見学も可能です。
研修を通して医療的ケア児保育への理解を深め、安心して受け入れを促進
フローレンスは、医療的ケア児の受け入れを促進するため、オンライン研修の提供に加え、今後も様々なサポートを継続していく予定です。
本研修を通して、医療的ケア児保育に関する知識・理解を深め、保育園における受け入れ体制の強化に貢献していくことを目指しています。