千葉大学とLiberawareが挑む森林ドローン開発の未来とは
千葉県千葉市に拠点を持つ株式会社Liberawareは、福島国際研究教育機構の提案を受け、国立大学法人千葉大学とともに新たなドローン技術の開発に取り組んでいます。この取り組みは、特に自生地域や困難な環境下での調査・監視を可能にするためのもので、昨年度に引き続き2年目のプロジェクトとして進められています。
背景と目的
今回のプロジェクトは、福島県における複合災害の経験を生かし、将来的に懸念されるさまざまな災害に対する準備として、ロボットやドローンの活用を図るものです。これにより、災害発生時にも迅速かつ柔軟に対応できる力を育成することが目指されています。また、人体の安全性を確保しつつ、山中や水中といった難しい環境においても調査・測定を行う方法を実現する目標があります。
開発予定の技術
このプロジェクトでは、次の3つの実施課題が特に注目されています。
1. 樹木解析のための3次元データ取得
ニューラルネットワークを駆使して、3次元データから樹木の形状を計測する技術が開発されます。具体的には、ドローンにレーザー技術を搭載し、森林内での安定したデータ取得を実現するための試行が行われます。
2. 森林内飛行のためのドローン開発
樹木解析に必要な飛行技術を司るドローンの開発も進行中です。このドローンは、飛行安定性と自然環境での適応性の向上を図るため、様々な実証試験が行われます。
3. 空間線量計測が可能なドローン
小型の放射線量計をドローンに搭載し、森林内の放射線量を測定できる方法の開発も進められています。これにより、従来人力に依存していた測定が、自動化されるという利点があります。
進捗と今後の計画
プロジェクトはすでに多くの進捗を見せています。例えば、レーザーによる樹木計測法の優位性が確認され、障害物検知装置も取得したデータに基づいて改良が進んでいます。また、空間線量分布マップの作成も見通しが立っており、今後の小型軽量化や搭載方法のフィードバックが期待されています。
持続可能な社会に向けて
本プロジェクトは、Liberawareの成長戦略の一環として位置付けられています。未来のドローン技術が、森林環境の調査やデータ収集に貢献し、さらにはカーボンクレジットの取引に寄与することで、脱炭素社会の実現へつながることが期待されています。新たな技術とともに、安全で持続可能な社会の構築に向け、Liberawareと千葉大学がどのように貢献していくのか、今後の展開に注目です。
会社と機関の紹介
株式会社Liberawareは、狭小で危険な環境に特化した非GPS型小型ドローンの開発を行っており、「見えないリスクを可視化する」ことを使命としています。また福島国際研究教育機構は、復興及び科学技術の発展を目指し設立された特殊法人です。これらの取り組みは、今後の災害対応や環境保護に大きな影響を与えることでしょう。