世界的建築賞を受賞した佐賀県の新たなサウナ施設OND SAUNA

OND SAUNAの受賞とその魅力

佐賀県武雄市のONDPARK内に位置するサウナ施設「OND SAUNA」が、世界最大規模の建築賞「Architizer A+Awards」のSpa & Wellness部門でPopular Choice Winnerに輝きました。この受賞は、世界80か国以上から寄せられた数千点の作品の中から選ばれたもので、一般投票での支持を受けたことが評価されました。

OND SAUNAの特徴

森との調和を重視した設計

OND SAUNAは、武雄温泉保養村の豊かな自然環境を最大限に生かした設計です。なんといっても特筆すべきは、その外観。木のサウナは、離散配置された壁が森の成長のリズムに調和するようにデザインされています。サウナ室内部には、縦長の窓が様々な方向に開かれ、外部の自然を感じられる作りになっており、訪れる人々は心地よい癒しと、自然との一体感を体験することができます。

受賞の背景

この賞は、建築の専門家による厳選を経て、一般投票で選ばれるため、多くの人々から支持を受けた証です。エコロジカルなデザインと現代的な解釈が融合したこの施設は、使い手に新たな体験を提供し、自然と調和する美しい空間を創出しています。

デザインのポイント

1. 森との向き合い

ONDPARKは、森に囲まれた場所にありながら、野生の状態を尊重したデザインが施されています。この建物には、「武雄の恵みで温度をあげる」というテーマが掲げられ、未来には5つの異なるサウナが展開される構想もあり、今後が期待されます。

2. 空間のコミュニケーション

サウナという密接な空間においては、見知らぬ人同士でも親密度を保つことが重要です。内部には不整形の多角形プレートが採用されており、視線のコントロールや自然な会話を促進する配置が工夫されています。これにより、訪れた人々がお互いの距離を保ちながら、親密な体験を共有できるようになっています。

3. 離散的な構造形式

この施設は、CLT（クロスラミネートティンバー）を使用し、建設効率や美しさを兼ね備えています。さまざまな角度で配置された壁が、機能的かつ美的なデザインの両方を実現しており、公共の場所としての新たな魅力を引き出しています。

更衣棟と金のサウナ

更衣棟は、サウナと公園エリアを分ける「結界」の役割も担っており、日本の伝統的な要素を取り入れたデザインが特徴です。また、金のサウナは直線的なフレーム構造を用いており、自然との調和を図ることで「秩序」を象徴的に表現しています。このサウナ室は、透明感を持たせつつも、安心感を与えるデザインが施されています。

Architizer A+Awards とは

「Architizer A+Awards」は、アメリカの建築メディアArchitizerが主催する国際的な建築賞です。2段階の評価制度を持ち、専門家と一般投票者による評価が行われることで、より広範な支持を受けた作品が浮かび上がります。OND SAUNAの受賞は、建築の新たな潮流を指し示すものでもあり、多くの人に感動を与え続けることでしょう。