MotorAIとJSOLの戦略的なパートナー契約
2023年、株式会社MotorAI(滋賀県草津市)と株式会社JSOL(東京・千代田区)の間で、モータ設計分野における新たなパートナーシップが締結されました。この提携は、JSOLが開発した電磁界解析ソフトウェア「JMAG」を活用し、MotorAIの設計エージェントが自動で操作するシステムの開発および共同マーケティングに関するものです。
JMAGとMotorAIの役割
JMAGは国内のモータ設計現場で幅広く支持されている業界標準のツールであり、その解析能力は高く評価されています。MotorAIの設計エージェントは、これを自律的に運用することで、既存の設計プロセスに新たな革新をもたらします。これにより、設計者はさらなる創造性を発揮することが可能になり、業界の効率化が期待されています。
最近、電動化やスマート化が進む中、モータ市場は急速に拡大していますが、それに伴う技術要求の多様化が大きな課題となっています。限られた設計リソースでそれに対応するため、MotorAIが開発した設計エージェントは重要な役割を果たすのです。このエージェントは過去の知見をもとに、アイデアを図面化し、商用ソフトを自律的に実行します。
パートナーシップの意義
今回の提携は、MotorAIとJSOLが持つ強みをしっかりと融合させ、設計品質を担保することを目指しています。具体的には、次のような目標があります。
1.
導入障壁の低減 - 既存の設計フローを変えずに、これまでの手法を維持しながら、AIによる自動操作を実現。
2.
設計・解析の品質保証 - JMAGとの連携で、高い解析精度を保ちつつ新しい運用スタイルを確立。
3.
市場訴求力の向上 - JMAGを利用する主要な国内メーカーとの連携により、より多くの企業にメリットを訴求できるようになります。
今後の展望
MotorAIとJSOLは、このパートナーシップを通じて、共同マーケティングや技術情報の相互提供を行い、モータ設計の未来を創造していく予定です。具体的には、2025年12月3日から4日に開催される「JMAGユーザー会2025」にて、成果を発表する予定です。また、MotorAIは、設計エージェントの商用提供を2026年4月から開始する計画を立てています。
この提携により、設計者は解析ツールの操作に追われることなく、より創造的な意思決定や本質的な課題解決に集中できる環境が作られます。MotorAIの代表取締役・清水悠生氏は、JSOLとの連携を通じて設計エージェントが強力な機能を持つことに期待を寄せています。
各社のコメント
株式会社JSOL JMAGビジネスカンパニー CEO 田中保彦氏
「MotorAI社との協業により、設計現場に新たな可能性が広がることを期待します。JMAGの解析機能との融合で、設計者の創造性を引き出し、設計プロセスの革新を加速しましょう。」
株式会社MotorAI 代表取締役 清水悠生氏
「この度、JSOL社と提携できたことを嬉しく思います。設計者がその本質的な課題に集中できるように、より強力なエージェントを提供していきます。」
このように、MotorAIとJSOLのパートナーシップは、設計エンジニアにとって革新的な手段となり、モータ設計の新たな未来を切り開くことが期待されています。