早稲田大学がAIチャットボット「SELFBOT」を導入
早稲田大学が学生と職員のサポートを強化するため、SELF株式会社が開発したAIチャットボット「SELFBOT」を導入しました。この新しいシステムは、在学生向けの情報サイト「Support Anywhere」(通称サポエニ)およびITサービスに関する情報サイト「IT Service Portal」に設置され、学生生活をより便利にすることを目指しています。また、今回の導入では学内で利用されているSlackとの連携も検討されています。
SELFBOT導入の背景
これまで早稲田大学では、従来のチャットボットを利用し、在学生からの問い合わせに対応していました。しかし、システムは単語検索に依存していたため、回答できる情報が限られており、シナリオのメンテナンスも煩雑でした。そのため、大学は生成AIとRAG(検索拡張生成)技術を利用する「SELFBOT」を導入することを決定。同システムは、幅広い質問に高精度で対応できるため、自己解決率の改善とサイトの利便性向上が期待されています。
SELFBOTの運用
早稲田大学は、情報企画部の広川由樹氏とSELFBOTの運用担当者である外奈緒美氏が中心となり、この新システムの導入を進めてきました。彼らは、学生が必要とする情報が多様であるため、従来のチャットボットでは対応が難しかったことに触れ、SELFBOTはサイト内の情報を事前に学習し、問い合わせに対し的確に応答する点で優れていると説明しています。
「SELFBOT」の導入により、学生はいつでもどこでも、必要な情報に迅速にアクセスできるようになります。特に、細かな回答が期待できるこのシステムは、問い合わせに対する柔軟性を提供し、学生の疑問解決を促進する環境を整えます。
SELFBOTの特徴
「SELFBOT」は、独自のRAG技術により高精度の回答を提供し、情報の即時性も兼ね備えています。この技術はAIのハルシネーションを抑え、信頼性の高い情報を提供することができます。また、従来のトレーニングデータを準備する手間がなく、簡単に運用できる管理画面が用意されているため、誰でも扱いやすい点も魅力です。
さらに、SELFBOTは高度なセキュリティ対策が施されており、会社情報の保護やプライバシーを重視した設計となっています。これにより、大学全体で安心して利用できるようになります。
コミュニケーションの強化
加えて、「Waseda Slack」との連携も設けられ、教職員や学生が日常的に利用するツール内で必要な情報を迅速に取得できる仕組みが整います。これにより、学内のコミュニケーションも活性化され、情報共有の流れがスムーズになることが期待されています。
早稲田大学の未来
早稲田大学は1882年に創立されて以来、学問の独立と活用を掲げ、国際的な貢献を目指してきました。「SELFBOT」の導入は、その進化の一環として位置付けられ、今後も学生や職員に対するサービス向上が図られることでしょう。また、2050年を見据え、さまざまなテクノロジーの導入を通じて、学びやすい環境の実現に向けた取り組みが続けられています。
この新たなAIチャットボットの導入によって、早稲田大学は学生の生活をより豊かなものにするための一歩を踏み出しました。教育とテクノロジーが結びつく未来へ向けた挑戦がどのように展開されていくのか、今後の動向に注目が集まります。