SOSフィルターがiPad版をリリース
NPO法人OVAが、児童生徒の自殺対策を目的とした「SOSフィルター」のiPad版を2025年8月にリリースすることを発表しました。このツールは、学校での「GIGAスクール構想」に基づいて、児童生徒一人一台の端末を活用し、心の健康をサポートするために開発されました。
1人1台端末とSOSフィルター
2024年7月にサービスが開始されて以来、SOSフィルターは既に約15万台の1人1台端末にインストールされ、多くの教育機関に普及しています。ブラウザ拡張機能であるSOSフィルターは、子どもたちが深刻な悩みを抱えた際に、相談窓口やセルフケアに関する情報を提供することを目的としています。特に、検索キーワードとして設定されているのは、「自殺」「いじめ」「虐待」「性暴力」「自傷」「精神疾患」の6つのカテゴリーで、約5000個のキーワードがあります。これにより、生徒が安心して「助けて」と言える環境を作り出すことを目指しています。
深刻な悩みを抱える子どもたちへ
児童生徒が直面する問題として、多くの場合、1人1台端末での検索が行われます。しかし、フィルタリングの強化により、有害な情報を防ぐ一方で、「助けが必要」と感じている子どもたちの足かせとなることもあります。生徒が抱える感情や悩みが、否定されることのないよう、SOSフィルターは設計されています。特に、検索した生徒を特定したり、学校に通知が届く仕組みを取らず、安心して利用できる環境を整えています。これにより、支援を必要とする生徒が助けを求めやすくなることを狙っています。
無償で提供されるSOSフィルター
SOSフィルターは無償で提供されており、全国の教育機関に広がっています。すでに多くの教育委員会と私立中高一貫校でも導入されています。教育関係者や学校関係者の皆様には、特設サイトからの問い合わせを通じて導入を検討していただけるよう呼びかけています。また、iPad版の動作や機能については、PC版を試すことも可能です。
NPO法人OVAの取り組み
NPO法人OVAは、設立以来、自殺予防に向けたさまざまな支援活動を行ってきました。特に、自殺リスクが高い人々に対するアウトリーチ活動や相談サービスを提供しており、約40の自治体や非営利団体と連携して自殺対策事業を展開しています。これまでの取り組みを活かし、SOSフィルターを通じてより多くの児童生徒に寄り添ったサポートを行うことが目標です。
まとめ
教育の現場で深刻な悩みを抱える児童生徒のために開発されたSOSフィルターは、今後も全国での普及を進めていく予定です。児童生徒が安心して生活できるよう、学校において1人1台端末を活用した心の健康のケアが求められています。具体的な導入を検討される方は、OVAの特設サイトからぜひご確認ください。
特設サイトはこちら
PC版のSOSフィルターはこちらからインストール
NPO法人OVAが児童の心のケアに向け、今後とも尽力していくことを期待しています。