エバラ食品が実施した体調マネジメントセミナーの意義と成果

近年、企業の健康経営が注目を集めており、特に女性の健康課題がピックアップされています。このような背景の中、エバラ食品工業株式会社は、株式会社exmoreと共同で「チームの生産性を高める“体調マネジメント”セミナー」を2025年9月に実施しました。この研修は、社員の相互理解を深め、チームの生産性向上を図ることを目的としています。

セミナーの背景と目的

健康経営の重要性が高まる中で、女性が抱える特有の健康問題に対する支援が求められています。これに伴い、ダイバーシティ推進や人的資本経営の観点からも、企業内での教育が急務とされています。国も妊娠前からの健康づくりである「プレコンセプションケア」を推奨しており、その重要性は増しています。実際、女性特有の健康課題による労働損失は社会全体で年間約3.4兆円にも上ります。

このような状況の中、エバラ食品は研修を導入することで、社員の体調管理の意識を高め、相互理解を促進し、働きやすい職場環境の実現を目指しています。セミナーでは、医師と理学療法士が共同で医学的知見と実践的アプローチを融合し、実践的な内容が展開されました。

セミナープログラム

セミナーでは、次のようなテーマが取り上げられました：

- ホルモンと男女の違い

対象者が自身の体調の変化を理解するための基礎知識を提供。特に、月経や更年期に関する理解を深めることで、相互理解を促すことを目的としました。

- PMSや月経痛、更年期症状

これらの症状を理解し、適切な受診タイミングやセルフケアについて学ぶことで、社員が体調を管理しやすくなるよう指導されました。

- セルフケア実践

呼吸法や姿勢改善、デジタルデトックスといった、日常生活に取り入れやすい方法を学びました。これを通じて業務効率や集中力の向上を狙っています。

参加者の反響と成果

受講した社員からは、様々なポジティブな反響が寄せられました。「体の不調は我慢するものだと思っていたが、少し意識が変わった」「パートナーとの接し方に役立てたい」といった声が上がるなど、具体的な行動変容への期待が見られました。特に、月経に関する知識の重要性を再認識したという意見が多く、企業の健康経営としても大きな価値がある内容でした。

エバラ食品の人事担当である藤原氏は、「基礎から理解する研修で、社員がすんなりと学べた」と振り返り、その内容に満足感を示しています。普段は話題にしにくいテーマをオープンに学び合う機会となったことは、企業文化の変革にも寄与するでしょう。