遺伝子治療薬とFlexFactory
2021-12-09 11:00:10

太陽ファルマテックが遺伝子治療薬の製造体制を強化、CytivaのFlexFactory導入へ

太陽ファルマテックが新たにFlexFactoryを導入



太陽ファルマテック株式会社は、遺伝子治療薬の製造体制を強化するため、Cytivaの最先端技術「FlexFactory」を導入することを発表しました。この動きは、急速に成長する遺伝子治療薬市場への対応を目指したものであり、国内需要の増加を背景にしています。日本の再生医療と遺伝子治療の市場は、2020年時点で570億円から2040年には約9,100億円へと拡大すると予測されています。このような新たな市場の成長に対して、太陽ファルマテックは特に高い専門性と柔軟性が求められる製造プロセスに着目しています。

FlexFactoryの特長と利便性



FlexFactoryは、シングルユーステクノロジーを活用したモジュール設計の製造システムで、特に遺伝子治療薬の生産に適しています。このシステムにより、複雑な設備の調整や経済的な負担を軽減し、製造プロセスを迅速に構築することが可能です。従来の製造施設設計では2年以上かかる工場設立のプロセスを、FlexFactoryの導入により約半分の14ヶ月で実現できるという驚異的な効率を誇ります。

また、使用する機材はすべてワンストップで提供されるため、汚染リスクの軽減と多品種製造にも対応しています。これにより、開発企業は時間と資源を節約し、本来の研究開発に集中することが可能になるのです。

課題と期待される効果



遺伝子治療薬の開発において、日本での重要な課題は、製薬業界のスタートアップやベンチャー企業が他国と比べて自社工場を持っていないことです。多くの企業が製品の製造を外部に委託せざるを得ず、その際には信頼できるCMO(Contract Manufacturing Organization)の存在が不可欠です。太陽ファルマテックは、柔軟な対応力と迅速な生産能力で、こうしたニーズに応えるべく新たな事業を立ち上げました。

中垣知綱氏(新規事業開発室室長)は、「製造に高い専門性と柔軟性が求められるこの領域において、早期にパートナーシップを結び、国内需要に率先して応えたい。」と意気込みを語っています。

CMOの重要性と将来展望



国内の製薬業界におけるCMOの市場は、まだ発展途上にありますが、これからの10年間で急速に拡大することが見込まれています。これは新型コロナウイルスの影響で、ワクチンをはじめとするバイオ医薬品の国内製造の重要性が広く認識されるようになったからです。Cytivaのペレ・ステファン氏も、日本におけるバイオ医薬品製造の可能性について、「FlexFactoryは日本の製造能力の向上に確実に寄与する」と自信を示しました。

太陽ファルマテックの歴史とビジョン



太陽ファルマテックは、1933年に設立され、長い歴史を持つ製薬工場です。その後、太陽グループ傘下に入ったことで、新しい技術や製品ラインの拡大に向けた取り組みを強化しています。これからも、再生医療や遺伝子治療などの革新的なモダリティに対応した製造体制を整え、未来の医療に貢献することを目指します。新たなFlexFactoryの導入は、その第一歩と言えるでしょう。

会社情報

会社名
グローバルライフサイエンステクノロジーズジャパン株式会社
住所
東京都新宿区百人町3-25-1サンケンビルヂング
電話番号

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