新素材「ラスタン®」
2024-09-19 16:28:46

EV革命を支える新素材「ラスタン®」が登場!安全性向上に期待大

EVバッテリー向け新素材「ラスタン® TSシリーズ」の販売開始



旭化成アドバンス株式会社は、2024年10月1日より、電気自動車(EV)向けの新しい耐炎性・耐ブラスト性を兼ね備えた耐炎化繊維素材「ラスタン® TSシリーズ」の販売を開始します。この新製品は、特殊アクリル繊維を原料にした従来の「ラスタン®」に、特殊な難燃剤を添加することで、優れた特性を実現しました。

EV市場の急成長と熱暴走のリスク


近年、EVの普及が進む中で、その安全性は重要なテーマとなっています。特に、EVバッテリーが温度上昇を引き起こす「熱暴走」は大きな問題であり、これを防ぐための対策が求められています。市場調査によると、EVバッテリーの熱暴走対策材市場は2024年以降、平均で15%の成長が見込まれています。

現在、EVバッテリーの熱暴走対策には鉱物系素材が多く使用されています。しかし、これらは重く、割れやすいため、作業者にとって負担が大きいのが課題です。また、その硬さから柔軟性に欠け、設置形状に応じた加工が難しいことも問題視されています。

「ラスタン® TSシリーズ」の特長


新発売の「ラスタン® TSシリーズ」は、1300℃の炎にさらされても反対側の温度を400℃以下に保つことができる断炎性を持っています。通常、LOI(限界酸素指数)が27以上であれば難燃性とされる中、この新製品は50以上という非常に高い数値を誇ります。また、UL94規格の試験において、最高難燃性を示す5VAを取得しています。

さらに、1分間1300℃の炎に対し、200μ~500μの粒子による高圧衝撃にも耐える能力を持ち、電気的には1mmの厚さで最大3.5kVの絶縁性能が確保されています。柔軟性も高く、最薄で0.8mmの厚さがあり、はさみで簡単に切断できるため、加工性において鉱物系素材を上回ります。

展示会での発表


新製品の販売に合わせて、2024年10月7日から10日に米国で開催される「北米バッテリーショー」にて、旭化成グループのブースで本製品を展示します。この展示会では、各種自動車OEMや関係者との対話を通じて、本製品の理解を深める機会となることが期待されています。

今後の展開


旭化成アドバンスは繊維事業で培った技術を活かし、今後ますますの製品開発を進めていく意向を示しています。特に、欧米市場への展開を強化し、バッテリーセルなど他用途に向けたグレード開発も計画中です。この新たな取り組みを通じて、EVの安全性能向上に貢献していくとともに、全体的な品質向上やサプライチェーンの透明性を図る方針です。

また、日本国内での生産が確立されていることから、今後は米国などでも現地生産を視野に入れ、より信頼性の高い供給体制を構築していく計画です。これにより、EVバッテリー産業における安全性と効率性向上に寄与していくでしょう。

まとめ


「ラスタン® TSシリーズ」は、EVバッテリーの熱暴走対策に特化した新素材であり、今後のEV市場において重要な役割を果たすことが期待されています。安全性向上のための技術革新は、今後のEV利用の流れを大きく変えていくかもしれません。旭化成アドバンスの今後の活動から目が離せません。

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詳細情報




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会社情報

会社名
旭化成株式会社
住所
東京都千代田区有楽町1-1-2日比谷三井タワー
電話番号
03-6699-3000

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