新たな精密加工の幕開け
株式会社ソディックが自信を持って発表した、油加工液仕様のリニアモータ駆動 超精密ワイヤ放電加工機「AX350L i Groove + Edition」(以下、AX350L iG+E)。長年培われた技術を活かし、自動車や半導体など多様な産業に適応した最新鋭の加工機械です。この機能強化モデルは、特にお客様の求める高精度加工ニーズに応えるべく設計されました。
新技術の採用
まず注目すべきは、
機械剛性の向上です。AX350Lから更なる進化を遂げ、構造解析技術と熱変位シミュレーションを駆使して、加工中の変位を最小限に抑えています。これにより、高剛性の門型構造と独自の熱変位補正システム「TH-COM」を採用。加工物と加工液の温度管理が精密に行え、長時間にわたる安定加工が可能になりました。
次に、
高エネルギーでの加工を実現する技術です。新たに導入されたワイヤ回転機構により、加工面の放電波形を微細に制御し、断線を防ぎつつ高精度な加工を行います。この技術では、加工物上部の未消耗部分を継続的に利用することで、無駄なく高品質な仕上がりを実現すると共に、ワイヤの消費も大幅に削減しています。
環境への配慮
AX350L iG+Eは、
省エネ機能も強化されています。加工液処理系にかかる電力を大幅に削減するために、流量をモニターし最適なコントロールを行います。この機能により、全体の電力消費を約10%削減することが可能になりました。さらに、リアルタイムでランニングコストを表示する「eco collections」機能も搭載。在庫削減やCO₂排出量の削減にも貢献し、環境に配慮した生産を実現します。
スマートな生産管理
AX350L iG+Eは、
完全自動制御を備えた設計です。これにより、夜間や週末の連続自動運転が容易になり、生産性が向上します。国際標準規格MT ConnectおよびOPC-UAへも対応し、他の生産システムと連携が可能です。これにより、デジタルトランスフォーメーション(DX)時代にふさわしいスマートなモノづくりが実現します。
生産目標と市場
AX350L iG+Eの販売価格はオープンで、年間16台の生産を目指しています。モビリティ産業や半導体産業向けの金型製作として、特にEV用モータコア金型や半導体リードフレームなどに応える機械として期待されています。
まとめ
新たに登場したリニアモータ駆動 超精密ワイヤ放電加工機「AX350L i Groove + Edition」は、様々な産業における精密加工の未来を切り開く製品です。技術革新による高精度、効率的な加工、さらに環境に優しいという特長を兼ね備えた本機は、今後の市場での活躍が期待されます。