商船三井、米国初の洋上LNG液化設備へ出資
株式会社商船三井は、米国初の洋上LNG液化設備(FLNG)プロジェクトに対し、最終投資決定を下したことを発表しました。このプロジェクトは、米国のDelfin Midstream社とともに進められ、世界最大規模のFLNG事業として年間440万トンのLNGを液化する能力を有します。2023年にこのプロジェクトの開発支援のため既に出資を果たしていた商船三井は、条件が整ったことを受けて、正式な出資を決定しました。
この新しいFLNGプロジェクトの総事業費は約50億米ドルであり、出資者グループは約14億米ドルを拠出予定です。商船三井はその中で約3億米ドル(約23%)の出資を計画し、日本の海運会社がFLNG事業に参加するのは今回が初めてです。
プロジェクト実現に向けて、商船三井は主要な許認可を取得済みで、また長期販売契約も締結しています。液化されるLNGは英国のCentrica社や米国のExpand Energy社、Vitol社、Gunvor社と契約に基づき販売される予定です。現在、韓国Samsung Heavy Industries社との間でFLNGの建造契約も交わされており、今後の進展が期待されています。
FLNGの利点
FLNGの大きな特徴は、洋上で天然ガスを液化する点にあります。通常、天然ガスは陸上で液化された後に運搬されるのが普通ですが、FLNGを利用すれば、周辺コミュニティへの影響を抑えつつ、効率的に運搬することが可能です。また、悪天候時には係留設備を切り離し、安全に避難することもできるため、リスクの低減も期待されています。
このプロジェクトでは、米国ルイジアナ州の沖合約40マイル地点に設置されるFLNGに、既存のパイプラインを通じて原料ガスが供給されます。液化されたLNGは、LNG船に積載された後、最終的な顧客に供給される流れです。
エネルギー供給の多様化とビジョン
商船三井は、これまでのLNG船を通じて積み上げてきた知識と経験を基に、LNGサプライチェーンの中での活動をさらに拡大しています。FSRUや発電船など、船舶におけるさまざまな技術面での知見を活用し、生産に近い上流領域へも進出。今後、LNGの輸送・受入れ・再ガス化に加え、上流から下流までのバリューチェーン全体をカバーする事業モデルへと進化させることを目指しています。
商船三井は、「青い海から人々の生活を支える企業」として成長し続けることを目指し、クリーンエネルギーの供給による持続可能な社会の実現に寄与する意欲を持っています。これにより、エネルギー供給の安定化と多様化に貢献し、全てのステークホルダーに新たな価値を提供することを目指しています。