伝統芸能「糸あやつり人形」の存続危機
「糸あやつり人形」は、江戸時代から続く伝統芸能で、約400年の歴史を持つ一糸座がその継承者です。この劇団は、先代たちが築いてきた文化を受け継ぎ、多くの人々に感動を与えてきました。しかし、今、一糸座は存続の危機に直面しています。
この危機の背景には、物価の高騰や、学校巡回事業の激減、さらには公演の中止が重なったことがあります。これにより収入が大幅に減少し、日々の稽古場の維持さえも困難な状況に陥ってしまいました。私たちの劇団は、かつてのように多様な収入源を維持しようと努力してきましたが、それでも追いつかない現実があります。「来年、また公演ができるのか」と不安な日々が続いています。
伝統を繋げる覚悟
「伝統は現在続ける人がいなければ、未来に繋がりません。」これは、一糸座が抱える大きなテーマです。過去の人形遣いたちの勇気と情熱があったからこそ、今日の舞台が存在していますが、今私たちの手でその灯火を絶やさないための覚悟が求められています。
一糸座は、今後の活動に向けたクラウドファンディングを立ち上げ、人々とその文化との未来の出会いを守ろうとしています。このプロジェクトでは、後継者の育成や公演資金の確保を目指しています。私たちは、自分たちの活動が未来に向けてどのように継承されるべきかを強く意識しており、多くの支援を呼びかけています。
クラウドファンディングの背景
一糸座は、過去の危機を乗り越え、未来に向けて新たな挑戦を続けてきました。特に、明治期に存続の危機を乗り越えた「中興の祖」である九代目結城孫三郎や、戦後に古典を守り続けた十代目結城孫三郎の精神を教訓として、現代芸術との共同制作や新作公演を行っています。これによって、糸あやつり人形の根底にある魅力を新しい形で表現し続けています。
現在、一糸座は2025年に予定している新作『風神雷神図』、2026年の『人造人間の憂鬱』など、意欲的な公演に向けて準備を進めています。しかし、資金不足に直面し、これらの企画実現には目の前の危機を乗り越える必要があります。
また、クラウドファンディングの支援は、単に目の前の経済的な危機を解決するだけでなく、今後の自立した運営を支えるための基盤となります。支援を通じて、多くの人に糸あやつり人形の価値を感じてもらい、未来へ繋げる力強い一歩を共に築いていきたいと願っています。
目標金額とその使い道
今回のクラウドファンディングでは、第一目標として300万円、最終目標として1,000万円を設定しています。これらの資金は、活動を継続するための費用や、稽古場の維持、人形の保管費用などに充てられます。また、後継者育成のための環境整備や、古典作品のデジタルアーカイブ化など、未来に向けた取り組みも行っていく予定です。
みんなで未来を紡ぐ
一糸座は、「一糸不乱に人形を遣う」という名前の通り、一本の糸に人生をかけてきました。この糸を太く伸ばし、未来へ確実に繋げるために、私たちの活動を支えてくださる仲間を求めています。皆様からの支援が、100年後、200年後の舞台を開くための力となると信じています。この文化が次の世代へと受け継がれるよう、共に未来を創り出す仲間になってほしいと願っています。
クラウドファンディングの詳細
- - プロジェクト名: 江戸から続く「糸あやつり人形」存続の危機に|苦境を乗り越えて未来へ
- - 支援募集期間: 2025年8月31日 23:00まで
- - 目標金額: 第一目標 300万円、最終目標 1,000万円
- - プロジェクトURL: クラウドファンディング詳細
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