誹謗中傷の実態調査の概要
弁護士ドットコム株式会社が実施したネット・SNSにおける誹謗中傷に関する調査が、私たちがインターネット上でのコミュニケーションに持つ認識を問い直す内容となっている。本調査は、弁護士ドットコムの一般会員を対象に行われ、1329人から回答を得た。
調査の背景
近年、SNSの発展に伴い、誹謗中傷に対する社会的懸念が高まっており、法律も整備されてきた。これに伴い、ネット上での言動が厳密に規制されるようになったが、実際の被害は依然として根強い。この調査は、誹謗中傷に関する加害者の意識やその実態を明らかにすることを目的とした。
調査結果のサマリー
調査結果によれば、誹謗中傷を行った経験があると答えたのは1329人中約100人、すなわち7.0%に達する。このデータは、意外にも多くの人が誹謗中傷を行っていることを示している。
さらに、誹謗中傷を行った人の中で、47.3%がその行為に意図的であったと認識しているのに対し、52.7%は無自覚的に行っていることが明らかになった。これは、SNSという場での発言が軽視されがちであることを示唆している。
誹謗中傷の内容
調査では、誹謗中傷の内容についても触れられ、約80%が「容姿や性格、人格」についての悪口が占めているとの結果が出た。さらに、ウソや不確実な情報の流布も29.0%を占め、個人情報の公開や脅迫なども見受けられた。
誹謗中傷の動機と対象
誹謗中傷を行った動機については、「イライラした感情の発散」が最も多く36.6%を占めていた。多くの人々が感情のコントロールを失い、その結果として他者を傷つける行為に出ていることが分かる。他にも「嫌がらせをしたい」という理由や、「相手をやり返したい」という動機も一定数存在した。
さらに、誹謗中傷の対象についても調査が行われた。一般人が68.8%で最多、次いで芸能人が17.2%、政治家が16.1%と続く結果となり、特に一般の人々がターゲットにされやすい状況が浮き彫りにされた。
調査の意義
この調査結果は、私たちがインターネットを利用する際にどのような意識を持っているのかを再考させるものである。誹謗中傷は無意識のうちに行われることが多く、また、どのような動機であれ他者を傷つける行為には変わりない。この実態を知ることで、今後の行動に対し意識的に改善していく必要があるだろう。
コンclusion
誹謗中傷はSNSの普及と深く関連し、今後の社会で重要な問題として扱われるべきだ。この調査は、その一助となることを目指しており、法制度の整備とともに、一人一人の意識改革が求められている。