日本における無痛分娩の現状とLA Solutionsの取り組み
日本での無痛分娩は、海外に比べると普及が遅れているという声がありますが、実際には増加傾向にあります。2008年の無痛分娩の割合は2.6%でしたが、2016年には6.1%に達しています。これは、医療機関の努力や妊婦への意識の変化によるものです。しかし、アメリカや欧州の数値と比較すると、依然として低いことが分かります。アメリカでは73.1%が無痛分娩を選択しており、フランスに至っては82.2%です。アジア諸国でも、シンガポールが50%、韓国が40%と高い割合を示しています。
この普及の背景には、国ごとの医療体制の違いがあります。アメリカは大規模なバースセンターが整備され、常に麻酔科医が待機しています。一方、日本は地域の小規模なクリニックや病院が主となり、産婦人科医が主導する形です。これにより、各医療機関が無痛分娩を独自に進めています。とはいえ、日本の無痛分娩の安全性が課題となることも珍しくありません。特に2017年には、無痛分娩に関する医療事故が報道されたことがあり、これを受けて無痛分娩の質を向上させる必要性が叫ばれました。
LA Solutionsの活動と目指すもの
そんな中で、LA Solutionsは無痛分娩のサポートに特化した企業として活動を開始しました。代表の入駒慎吾氏は、産婦人科医と麻酔科医の両方の専門知識を持つ数少ない医師の一人です。彼自身、自らの経験を基に、安全で質の高い無痛分娩を日本全国で提供できるようサポートに取り組んでいます。具体的には、無痛分娩を実施している医療機関に訪れ、プロトコールや施設の状態を確認し、ノウハウを提供することから始めます。
彼らは、無痛分娩の全症例を月に一度振り返るなどして、安全性の向上に努めています。また、医師や看護師、助産師、さらには患者を対象にした講演活動を通じて、無痛分娩に関するリテラシーを高める努力も行っています。これにより、参加者からは「基礎から教えてもらえた」と評判です。
入駒氏の著書である『図表でわかる 無痛分娩 プラクティスガイド』は、日本国内外での無痛分娩の理解を促進する重要な資料として注目されています。さらに、2019年からはYouTubeでの情報発信も行い、その活動はメディアからも高く評価されています。
無痛分娩業界の課題への挑戦
LA Solutionsは、無痛分娩の制度を日本からアジア・アフリカへと拡大することに着手しており、クラウド型無痛分娩記録の開発にも取り組んでいます。このように進化を続ける日本の無痛分娩が、世界で通用する可能性があると信じてやみません。入駒氏は、日本の医療従事者が誇りを持って無痛分娩に携わる未来を描いています。
日本ではまだまだ改善の余地がある無痛分娩ですが、LA Solutionsの果敢な挑戦に期待が寄せられています。今後、無痛分娩がさらに多くの妊婦に安全に提供され、質の高い医療が実現されることを願っています。
出典:日本産婦人科医会「分娩に関する調査」、一般社団法人日本産科麻酔学会
LA Solutions概要
- - 会社名:株式会社LA Solutions
- - 代表取締役社長:入駒 慎吾
- - 設立日:2017年4月3日
- - 本社所在地:静岡県浜松市中区
- - 事業内容:無痛分娩コンサルティング、クラウド型無痛分娩記録の開発
- - サイトURL:LA Solutions