サントリーの自販機アプリ「ジハンピ」に導入されたAIシステムの全貌
最近、サントリーが3000万ダウンロード達成を目指して展開する自販機キャッシュレスアプリ「ジハンピ」が、カスタマーサポートの向上を目的にAI搭載のFAQシステム「KARAKURI smartFAQ」を導入しました。この取り組みは、自販機の利用者と加盟店の双方からの問い合わせに対し、迅速かつ効果的な対応を目指しています。
背景: 急成長する「ジハンピ」
「ジハンピ」は、2024年12月に北海道からスタートし、2025年3月から全国展開を計画している自販機キャッシュレス決済アプリで、既に500万ダウンロードを達成。少数精鋭のチームによって運営されているため、代表者1名がカスタマーサポートを担っています。問い合わせの種類は200社以上の自販機加盟店からのビジネスユーザーと、一般ユーザーの両方に及んでおり、従来のBPOサービスを使用していました。しかし、急増する問い合わせに対応するためのリソースは限られており、Excelに基づくFAQ管理が時間を消費する課題がありました。
導入されたAIツール「KARAKURI smartFAQ」の特長
新たに導入された「KARAKURI smartFAQ」は、自然言語処理に基づいたFAQシステムであり、ユーザーがさまざまな言い回しで情報を検索できるのが特徴です。これにより、ユーザーの自己解決を促進し、BtoB(自販機の加盟店)とBtoC(一般客)の両方の問い合わせを同時に管理することが可能になりました。
特徴1: 自動更新と迅速な情報提供
このシステム導入以前は、FAQの更新に約1週間かかっていたのに対し、今は最短3分での変更が可能です。特に緊急時の情報提供を迅速に行えるようになり、従来の約数万円の外部コーディングコストも削減されました。
特徴2: 検索の多様性に対応
「KARAKURI smartFAQ」では、利用者の多様な検索語句を可視化し、「マネー連携」という言葉に対しても「マネー登録」など複数の表現に対応できるように設計されています。これにより、検索語句のばらつきに悩むことなく、顧客はスムーズに情報を得ることができます。
特徴3: エスカレーション件数の削減
外部BPOからのエスカレーション件数が劇的に減少し、担当者への負担が大幅に軽減されました。これにより、限られたリソースの中でも高品質なカスタマーサポートが実現されています。
サントリービバレッジソリューションの見解
サントリービバレッジソリューション株式会社のマーケティング本部担当課長、森 新氏は、「ジハンピの利便性を向上させるために、FAQもストレスフリーにすべきだと考えました。ユーザーにすぐに解決できる仕組みを提供することで、より良い顧客体験を確立できたと感じています。」と述べており、KARAKURIの導入が大きな効果をもたらしたことを強調しています。
まとめ
「ジハンピ」のシステムへのAI導入は、サントリーのカスタマーサポートを効率化し、迅速な情報提供を実現する重要なステップとなりました。今後の課題は、さらなる利用者の拡大を考慮しつつ、より柔軟かつ迅速なサポートの体制を維持していくことです。
会社概要
- - サントリービバレッジソリューション株式会社
- - 所在地: 東京都新宿区
- - 設立: 2010年11月
- - URL: サントリー公式ウェブサイト
- - カラクリ株式会社
- - 所在地: 東京都中央区
- - 設立: 2016年10月
- - URL: カラクリ公式ウェブサイト
このように、AI技術がサポート体制の変革をもたらす中、サントリーの「ジハンピ」がスムーズ且つ質の高い顧客体験を提供する未来に期待が高まります。