2025年飲食料品値上げの現況と2026年の展望
概要
株式会社帝国データバンクによると、2025年の日本における飲食料品の値上げは、累計で2万609品目に達しました。この数字は前年の1万2520品目を約64.6%上回り、2023年のピーク時(3万2396品目)以来、久々に2万品目を超える事態となりました。2026年には約3500品目の値上げが予測されており、2025年に比べると減少傾向にあるものの、依然として高い水準が続く見込みです。
2025年の別月値上げ動向
2025年の飲食料品値上げについて、月単位で見ると、特に1月から4月までの期間においては1千品目を超える動きが常態化しました。例えば、1月には食パンや菓子パンが約2年ぶりに同時に値上げされ、3月には2529品目が値上げされるという大きな動きが見受けられました。4月には春の需要を受けて過去最高の4500品目を超える値上げが起き、多岐にわたる食品が値上げ対象に挙げられました。このように、月別の値上げ数を観察することで、価格上昇のトレンドが明確になっています。
値上げの要因
2025年の値上げの要因については、93%以上が「原材料高」に起因)。特にチョコレートや飲料類では、天候不順が直撃し、原材料不足や価格高騰が見られました。また、物流費(78.6%)や人件費(50.3%)の割合も高く、特に人件費の上昇が著しい状態です。実質賃金の減少も影響し、消費者は高価格に抵抗感を示す傾向が一層強まっています。
2026年の見通し
2026年1月から4月にかけての値上げ品目は3593件と予測されており、前年の6121件に比べて大幅に減少しています。特に調味料分野においての価格上昇が目立ち、マヨネーズやドレッシング、みそなどが値上げされています。
一方で、今後の環境には依然として不透明感が残ります。コーヒーやチョコレートなどで発生している記録的な不作や在庫不足が、今後の価格や消費動向にどのように影響を与えるのか、注意深く見守る必要があります。サービス価格の上昇も著しく、現在は物流費や人件費の影響を受けた値上げが多くを占めていますが、円安による影響は軽微なままとなっています。
消費者の反応
消費者は価格上昇に対して敏感になっており、廉価品への移行や売上が低下する動きが見られています。しかし、一方でコスト増が長期化するとの見込みから目をつぶり、値上げを受け入れる傾向も見えています。2026年には、さらに日本国内の賃金や物価が緩やかに上昇する可能性があります。
まとめ
全体的にみて、2025年の飲食料品の値上げは持続的な物価上昇の兆候を示しており、2026年以降も業界の動向を注視する必要があります。これまでの流れを鑑みると、年続けて値上げが続く可能性が高いですが、そのペースは抑えられる見込みです。消費者としても、今後の食料品価格の推移には関心を持ちながら、自らの生活に影響が出ることを前提にした購入行動を考える必要があります。