新型蒸留装置発明
2024-08-28 19:32:22

木村化工機が新型のバイオエタノール蒸留装置を発明しCO₂排出ゼロを実現

木村化工機の革新的な蒸留装置



木村化工機株式会社(以下「当社」)は、持続可能な航空燃料(SAF)に向けた新たな取り組みとして、バイオエタノールを蒸留する際のCO₂排出をゼロにする「ヒートポンプ式バイオエタノール蒸留装置」を開発しました。この装置は、省エネルギー化を実現し、SDGsの理念にも寄与する重要な技術です。

新型蒸留装置の特徴



本装置は、従来の蒸留装置とは異なり、ボイラ蒸気を使用することなく、電力のみで蒸留を行うことができます。このヒートポンプ技術によって、装置から排出される低温の熱が回収され、有効なエネルギーとして再利用されます。この新しいシステムによって、理論回収率99.0%を達成し、製品あたりの電力消費量も0.7kWh/Lにまで大幅に削減されています。

再生可能エネルギー由来の電力を利用することで、CO₂排出量をゼロにすることができ、環境負荷を大幅に軽減できるのも大きな特徴です。さらに、当社は「ACT FOR SKY」という有志団体に加盟しており、国産SAFの商用化を進めています。

バイオエタノールの自給率向上に寄与



日本国内におけるバイオエタノールの自給率は未だ低く、輸入に依存している状況です。しかし、当社の新型蒸留装置によって、カーボンニュートラルで安価な国産バイオエタノールの生産が期待されています。木質系バイオマスや草木系の原料を使用することで、食料供給と競合しない持続可能なエネルギー源が確保されるのです。

バイオエタノールは、セルロースやヘミセルロース、リグニンを基にして生成されます。これらの原料を前処理し、糖化してからアルコール発酵を行い、蒸留によって濃縮します。これまで、この蒸留工程は多くのエネルギーを消費し、CO₂を排出する原因とされてきましたが、本装置によりそれが克服されます。

環境技術の革新



当社はこれまでにも、省エネ型ヒートポンプ式蒸発・蒸留装置を開発し、数々の環境賞を受賞してきました。この新しい装置は、その技術を更に進化させたものです。使うエネルギーを最小限に抑えながら、高効率で蒸留を行い、業務の持続可能性を高めることに貢献しています。

木村化工機は、「蒸留にはボイラ蒸気が必須」という先入観を打破し、完全な電力利用によるCO₂排出ゼロを目指しています。今後の技術革新に注目が集まります。

結論



この新型ヒートポンプ式バイオエタノール蒸留装置は、航空産業の脱炭素化に向けた重要な一歩です。また、これにより日本国内のバイオエタノール自給率が向上し、持続可能な社会の実現に向けて大きな貢献が期待されます。


画像1

会社情報

会社名
木村化工機株式会社
住所
兵庫県尼崎市杭瀬寺島2-1-2
電話番号
06-6488-2501

トピックス(科学)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。