大田区における「遠隔区民サービス」の実証実験
2025年10月20日から11月14日、東京都大田区でアバターロボットを利用した遠隔区民サービスの実証実験が実施されます。本実証は、ANAホールディングスから生まれたスタートアップ、avatarin株式会社を筆頭に、アルティウスリンク株式会社、キャンパスクリエイト株式会社が協力して進めるものです。
実証内容と目的
本実験では、大田区役所本庁舎と千束特別出張所の2か所にアバターロボット「newme」を配置し、遠隔で行政サービスを提供します。具体的には、1名のオペレーターが複数のアバターを切り替えながら、窓口案内や手続きサポート、問い合わせ対応といった業務を担当します。
この実証実験は、区内業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)を促進し、窓口サービスの満足度向上を目指しています。さらに、遠隔操作により効率的かつ柔軟な対応を実現し、少人数での業務運営の有効性を検証することも目的としています。
大田区のDX推進計画
大田区では、令和7年3月に策定されたDX推進計画のもと、2040年を見据えた長期的なビジョンを描いています。この計画の中で、「窓口DXの推進」が主要な施策の一つとして掲げられ、デジタル技術を活用し、人に優しい窓口の実現を目指しています。
今回の実証実験は、「Tokyo NEXT 5G Boosters Project」の支援を受けて行われます。ローカル5Gの導入により、大容量で低遅延な同時通信が可能となり、これにより行政サービスの提供が一変することが期待されています。
参加企業の役割
本実証に関与する各企業の役割は異なります。avatarin株式会社は、実証企画およびアバター技術を提供し、全体的な運営管理を担当します。アルティウスリンク株式会社は業務設計の支援を行い、BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)に関するノウハウを共有します。キャンパスクリエイト株式会社はプロジェクトの開発を推進します。さらに、NECネッツエスアイがローカル5Gの敷設と運用を行い、東京大学も技術研究と基地局提供で協力します。
今後の展望
この実証 experiment は、区民の生活をより便利にするため、これまでにないタイプの行政サービスを提供するものです。また、成功すれば、他の地域や都市においても展開が期待されます。
区民の生活向上につながる新たなサービス提供を目指し、産学官の連携が進む今回の実証実験は、今後の行政サービスのあり方を根本から変える可能性を秘めています。
これからの実証実験の進展に注目が集まります。