長崎県壱岐市で進化するスマート農業
2024年11月、長崎県壱岐市に新たな農業の拠点「ルートレックファーム」が開設されました。このファームでは、株式会社ルートレック・ネットワークスが開発したAI潅水施肥システム「ゼロアグリ・シリーズ」を利用し、アスパラガスの高畝栽培の実証が行われています。これにより、壱岐地区におけるスマート農業の新たな可能性が広がっています。
ルートレックファームでは、農業資材の高騰に対応するため、遊休ハウスを再活用。初期コストを抑えつつ、高生産性を求める農業の実現を目指しています。特に、アスパラガスの高畝栽培は壱岐では初の試みであり、地域の農業に革新をもたらそうとしています。これにより、農家の雇用創出や売上アップを図るとともに、新規就農者歓迎の栽培パッケージを展開し、高齢化や後継者不足の問題解決にも取り組んでいきます。
スマート農業の導入
ルートレックファームは、長崎県壱岐市石田に位置。社会情勢による農業資材の高騰とSDGsへの対応のため、遊休ハウスの修繕と再活用を行い、複数のアスパラガス品種を2024年3月から定植し、現在栽培の実証中です。具体的には、AI統合環境制御システム「ゼロアグリPlus」を導入しており、潅水や施肥、側窓の換気なども自動で制御されています。
この農法は、従来の平畝栽培や散水型潅水とは異なり、身体に優しい高畝栽培と、ストレスの少ない点滴潅水法を採用。省力化を実現しながら、環境制御に優れたスマート農業を目指しています。今後も地温制御による収量の拡大と品質の向上に取り組む予定です。
新規就農者への道を開く
特に壱岐市においては、農家の高齢化や担い手不足という課題が深刻です。収穫量の維持・拡大には、新規就農者の参入が不可欠ですが、アスパラガスのハウス栽培には専門的な技術や経験が求められます。これにより、新規就農者が増えることが難しい状況が続いています。
ルートレックファームの高畝栽培およびスマート農業のモデルは、こうした課題を解決する一助となります。農業を始めようとする人々に新たな栽培手法を提供し、今後も高齢者支援や後継者不足問題の解消に向けた取り組みを強化していく考えです。
代表のメッセージ
株式会社ルートレック・ネットワークスの代表取締役社長佐々木伸一氏は、食料・農業・農村基本法の改正と共に、スマート農業技術の導入と新規就農支援の必要性について触れ、「ルートレックファームは新たな農業へ進む道を切り開くために設立しました。今後、農業のビジョンをより具体的に形にしていく所存です」と語りました。
お問い合わせ先
ルートレックファームの圃場見学や施策についての詳しい情報は、
こちらのリンクからお問合せいただけます。
ゼロアグリシリーズの紹介
2013年から販売されている「ゼロアグリ」は、2024年には累計出荷台数400台を超え、数多くの農業生産者の収穫効率を向上させてきました。本シリーズには、様々なモデルがあり、各農家のニーズに合わせた適切な機能を提案しています。さらに、以下の作物で導入実績があります:トマト、ミニトマト、キュウリ、イチゴ、アスパラガスなど。
詳細な機能については、
こちらをご覧ください。
会社概要
株式会社ルートレック・ネットワークスは、2005年に設立され、以来M2M/IoT技術を活用した革新的なスマート農業を推進。経済産業省や日本ベンチャー大賞を受賞するなど、その成果が評価されています。