中部国際空港に新たなユニバーサルデザイン優先席が登場

中部国際空港に刷新された優先席

愛知県常滑市に位置する中部国際空港セントレアは、2005年の開港以来、「誰もが使いやすい空港」を目指してユニバーサルデザイン（UD）を求める取り組みを行ってきました。そして、このたび空港のUDがさらに進化します。2024年、日本国内線及び国際線搭乗待合エリアにおいて新たな優先席の設置が決定しました。この新しい優先席は、空港利用者のニーズに合わせ、より快適で安全な空間を提供します。

ユニバーサルデザインの理念

「ユニバーサルデザイン研究会」の設立以来、当事者の声に耳を傾けながら、空港の設計が行われてきました。その理念に則り、障害者や高齢者、妊婦など多様な方々が安心して利用できる空間を目指して、2024年に行われる「UD総点検」により、現行の優先席に関する課題を洗い出し、改善に取り組んでいます。

新たな優先席の特徴

新設される優先席は、特に以下の特徴がもたらされます：
1. 座面の高さ：床からの高さを上げ、座りやすさを考慮した設計。
2. 視認性の向上：色分けや大きなピクトグラムを採用し、誰でも認識しやすく。
3. 機能性の追求：アームレストや杖ホルダー、充電設備を備え、利便性を増加。

これらの新機能は、ただの優先席を超えて、空港利用者全員に快適さと安心感を提供します。また、不要なストレスを軽減することが期待されています。

従来型からの変更点

従来の優先席は、様々な課題が指摘されていました。表示が目立たず、占有されがちな点や、座面が深く、立ち上がる際に困難が生じる点です。新たな優先席はこれらの問題を解決し、具体的には座面の形状を波型にし、支持が行き届くように改善されています。また、座面の高さと傾斜を調整し、使いやすさを追求しています。

すべての人々が利用できる空間を目指して

この取り組みは、単独の企業によって実行されるものではなく、専門家や当事者団体からの意見を取り入れながら進められています。中部国際空港株式会社は、実施にあたり、すでに多様なベンチを試験し、そのデータを収集し、より良い仕上がりになるよう努めています。

代表取締役社長の籠橋寛典氏は、「多くの方々に快適な空港体験を提供するため、今後もUDを推進していきます」とコメントしています。この言葉には、すべての人が安心して空港を利用できる環境作りへの強い決意が込められています。