怪獣とミステリが融合した新たな文庫作品の魅力
著名な作品に脚本を提供してきた大倉崇裕が、いま注目の文庫作品を世に送り出しました。その名も『怪獣殺人捜査殲滅特区の静寂』です。この作品は、怪獣パニックと本格ミステリを大胆に組み合わせた、予測不可能なストーリー展開が特徴です。
概要と構成
本書は三つの連作とエピローグから成る構成になっており、それぞれが独立した事件を描きつつ、全体で一つの大きな物語を紡いでいます。文庫化に際しては、大倉自身による加筆修正が施されているほか、文芸評論家の東雅夫による解説も付いており、作品への理解を深めるための重要な一助となっています。
物語の舞台は、怪獣の襲撃が日常化した日本。特別省庁「怪獣省」が設立され、そこでは怪獣の発見、予報、撃退についての専門的な知識が培われています。作中の主人公は、予報官の岩戸正美。彼は任務中に奇妙な殺人事件に直面し、捜査に乗り出します。
謎めいた事件の数々
第一話において、岩戸は風力発電所が怪獣に襲われた町で、現場から見つかった死体の謎に迫ります。次の話では、音響統制の敷かれた静寂の中から響く銃声に注意を向け、最終話では美しい湖畔のホテルから失踪した調査官の捜索が始まります。
さらに、これらの事件には必ずといっていいほど、船村という特別捜査官が登場し、岩戸に捜索を強要することで、彼を事件の中心へと引き込んでいきます。船村は怪獣に関する特異な事件を専門としており、ストーリーに緊張感を与える重要なキャラクターです。
大倉崇裕について
著者の大倉崇裕は、1968年に京都府に生まれ、学習院大学法学部を卒業しました。1997年には短編小説で賞を受賞し、2001年に小説デビューを果たしました。彼の代表作には、白戸修シリーズや福家警部補シリーズがあり、いずれもTVドラマ化されています。彼の豊かな表現力と構成力が、この新しい作品でも存分に発揮されています。
書籍情報
『怪獣殺人捜査殲滅特区の静寂』は、文庫版(A6)として336ページのボリュームあり、価格は本体880円(税別)です。発売日は2024年9月26日。この作品を手に取り、怪獣の脅威とミステリの深淵な世界に没入してみてはいかがでしょうか。特に、怪獣やミステリが好きな方々には堪らない出来栄えとなっているでしょう。
作品の詳細は、
二見書房の公式サイトでご覧いただけます。昨今の怪獣ブームの中で、この新しい作品がどのように位置付けられるのか、ぜひチェックしてみてください。