医療法人医誠会の災害時難病患者支援訓練の取り組み
近年の自然災害の頻発により、難病患者への支援体制の構築が一層求められています。医療法人医誠会は、2026年4月15日に医誠会国際総合病院において、南海トラフを震源とした震度7の地震を想定した難病支援実施訓練を行いました。この訓練では、災害時に電源が必要な患者さんへの支援体制を確認し、その重要性を再認識する場となりました。
1. 災害時の支援体制の現状
難病を抱える患者の中には、自宅で人工呼吸器や吸引器などの医療機器を使用している人が多く、これらは電源を必要とするため、特に災害時には電源確保が生命維持に直結します。大規模災害が発生した際に、停電や交通網の混乱が起きることで、自宅での療養が困難になるケースが考えられます。このため、医療機関には通常の診療のほかに、災害に対応するための体制整備が強く求められています。
医誠会国際総合病院は、大阪府難病医療協力病院として、平時からの備えだけでなく、実践的な訓練を通じて地域の難病患者支援体制を強化することに注力しています。
2. 訓練の内容と進捗
今回の訓練では、実際に災害が発生した後に支援を必要とする患者からの連絡を受ける段階から、来院時の受付、支援提供の流れを具体的に確認しました。対象となる患者は、電源が必要な医療機器を使用している在宅患者で、以下の支援が中心に検討されました。
- - 予備電源装置の貸し出し
- - 院内の医療機器に対する電力供給場所の確保
- - 来院時の受付および支援導線の整理
さらに、患者が体調不良を訴えるケースについても想定し、対応の円滑さを確認しました。約20名の職員が参加し、複数の部門が連携して訓練を行うことで、実際の災害時に近い状況を再現しました。
3. 意見交換と今後の取り組み
訓練後の意見交換では、異なる背景を持つ患者への対応の課題が共有されました。年齢や国籍が異なる患者が理解しやすい案内方法の工夫として、文字の大きさやルビの付与などが提案されました。また、災害対策本部機能の強化、交通状況の悪化に伴う搬送手段の検討、広域災害救急医療情報システムとの連携についての必要性が明らかになりました。
医誠会国際総合病院は、今回得られた知見をもとに、更なる支援体制の具現化と関連部門の連携強化に取り組む方針です。災害対策本部の機能整理や外部機関との情報連携を強化し、より実効性の高い支援体制の構築を目指していきます。
4. 医誠会の継続的な使命
1979年に設立された医療法人医誠会は、大阪市を本拠地とし、ホロニクスグループとして全国で医療と介護事業を展開しています。医誠会国際総合病院は46の診療科を有し、2,144名の職員が在籍する基幹病院であり、2026年4月には大阪府がん診療拠点病院に指定されました。地域の高度急性期医療を支える「断らない救急」を掲げ、救急搬送件数は日本一を誇っています。
これからも医誠会は、平時からの備えを強化し、災害時にも持続的な医療提供を行える体制を整え、地域医療の維持と向上に貢献していく所存です。