こども家庭庁視察と保育ICTラボの取り組みがもたらす未来
2025年10月28日、茨城県つくば市にある社会福祉法人稲田福祉会「さくら学園保育園」にて、こども家庭庁の成育局保育政策課長による視察が行われました。この視察は、株式会社コドモンが実施する「保育ICTラボ事業」の一環として行われ、保育現場でのICT導入状況を実際に体験し、今後の保育DX政策に生かすための重要なイベントとなりました。
視察の目的と概要
視察の主な目的は、こども家庭庁の担当者に保育ICTの導入実態を実際に体感してもらい、職員の意見を聞くことで今後の政策形成に寄与することです。このイベントには、さくら学園保育園の他に、つくば市の幼児保育課や保育ICTラボ事業に参加する民間事業者として株式会社エステムも参加しました。
視察の詳細
- - 日時: 2025年10月28日(火) 10:15~11:45
- - 場所: さくら学園保育園
- - 参加者: こども家庭庁成育局保育政策課、つくば市幼児保育課、さくら学園保育園、株式会社エステム、株式会社コドモン
- - 内容: 保育ICTの活用実績の発表、意見交換、園内見学
成果と質疑応答
視察当日は、コドモンがつくば市におけるICTラボ事業の取り組みを紹介し、さくら学園保育園とつくば市の担当者がICTの導入状況について発表しました。その際、こども家庭庁の栗原課長からは過去にICT導入が失敗に終わったケースについての質問がなされました。さくら学園からは、約10年前の導入断念を乗り越え、園長の主導による新たな環境整備や、使いやすいシステムの採用が成功の鍵であったことが説明されました。
また、ICTに詳しい職員を中心にして保育士のニーズに応える教育・サポートを行ったことや、巡回支援研修を通じての手厚いフォローが職員の意識を変化させる要因となったことも強調されました。
業務効率化の効果
さくら学園保育園の職員は、ICT導入後のわずか2ヶ月で業務時間の削減を実感できるようになりました。以前は、業務が午睡時間中に終了しなかったが、今は時間内に終わるようになり、持ち帰りの仕事がほぼ解消されました。これにより、保育の質向上にも寄与しています。
視察の後には園内各フロアを見学し、実際にコドモンのICTサービスを活用した保育状況を確認していただきました。
こども家庭庁のコメント
こども家庭庁の栗原課長は、今回の視察を通じて職員の前向きな変化を目の当たりにし、保育DX政策の推進についての思いを新たにしました。このような変化が、全国で同様の悩みを持つ保育園にとって、希望の光となることが期待されています。今後の政策形成に向けての貴重な学びを得たと述べています。
今後の展望
コドモンは、さくら学園保育園との取り組みを2025年度末まで続ける予定です。現在は、ICT導入の過程を追った記事や動画を制作中であり、2026年2月には「成果報告会」を実施し、約9ヶ月の成果をドキュメンタリー形式で発表予定です。
このように、こども家庭庁の視察やICTラボ事業は、保育の質向上に向けた重要な取り組みであり、今後も注目が集まることでしょう。また、さくら学園保育園はこの取り組みを通じて全国にそのモデルを発信することが期待されています。