ダイキンが台湾で業務用空調機器の合弁会社を設立した背景とは
ダイキン、台湾で業務用大型空調機器の合弁会社設立
ダイキン工業株式会社が、台湾において業務用大型空調機器の合弁会社を設立し、事業を開始しました。この新しい会社の設立は、ダイキンの100%子会社であるダイキンマレーシア社、台湾の販売代理店である和泰興業、そして地元の産業用空調機器メーカー力菱(リーリン)機電事業股份有限公司の協力により実現しました。
事業開始の背景
2024年1月21日、台湾の彰化縣にある製造工場で行われた開所式典では、関係者が集まり新たなスタートを祝いました。ダイキンマレーシア社は、東南アジアとオセアニア地域の業務用空調機事業を統括しており、台湾市場への進出を通じてさらなる成長を目指しています。今後はエアハンドリングユニット(AHU)の製造を中心に、台湾市場でのプレゼンスを高める狙いがあります。
台湾市場への進出
力菱は1981年に設立され、産業用空調機器の開発・製造・販売を手掛けてきました。特に半導体市場において豊富な納入実績を持ち、高度な要求にも応える能力を持つ企業です。ダイキングループが台湾の販売代理店を通じて住宅用から業務用空調機器の販売を拡大してきた流れの中、今般の合弁会社の設立に至りました。
近年、ITの発展とデジタル化が進む中で、半導体製品への需要が急速に高まっています。特に台湾は、世界の半導体受託製造の重要拠点として知られ、その市場においても高いシェアを誇ります。需要の高まりにより、半導体用途向けの空調機器やサービスの需要が増えることが見込まれています。
合弁会社の特長と展望
新設された合弁会社は「大金(台湾)應用空調系統股份有限公司」と名付けられ、台湾彰化縣に本社を置きます。設立時の資本金は8億円で、ダイキンマレーシア社が51%を出資し、和泰興業が34%、力菱が15%の割合で出資しています。
合弁会社の目標は、ダイキングループの台湾市場での基盤と、力菱の半導体分野でのノウハウを融合させることによって、特に要求の厳しい半導体市場に適したAHUの生産と供給を行うことにあります。これにより、ダイキンの熱源機器とAHUを組み合わせた総合的な空調ソリューションの提供が実現するのです。
将来的には、半導体工場での技術を他地域に展開し、データセンター市場など、高度な仕様が求められる他の用途にも対応する計画が示されています。これにより、エネルギー効率の向上や脱炭素化の課題解決にも寄与することが期待されています。
ダイキンの新たな挑戦は、業界のさらなる進展を促進するだけでなく、台湾市場における競争力の強化も見据えています。今後の動向が注目されます。
会社情報
- 会社名
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ダイキン工業株式会社
- 住所
- 電話番号
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