京都市西京区における生成AIを活用した観光案内実証実験
一般社団法人関西イノベーションセンター(以下、当社団)および株式会社デザイニウムは、京都市西京区で生成AIを導入した観光案内実証実験を行いました。この取り組みは、観光産業の新たな課題解決を目指し、当社団が運営するイノベーション創出拠点MUIC Kansaiのプログラムの一環として採択されたものです。
観光ARコンシェルジュとは?
観光ARコンシェルジュは、視覚情報をもとにデバイスの現在地を特定し、最適な観光ルートを提示するアプリケーションです。たとえば、観光地の詳細情報や、利用者の状況に基づいて個別に案内を行うことが可能となります。
VPS技術による高精度な位置特定
このアプリは、VPS(Visual Positioning Service)を採用しており、カメラから得られるビジュアルデータを使って、ユーザーの位置情報を高精度で把握します。この技術を基に、観光ルートの提案が行われます。
実証実験の概要
本実験は、京都市西京区の阪急電鉄沿線を対象に実施され、観光情報を通じた嵐山周辺の周遊を目的としました。実証内容としては、生成AIを活用し、実際にどれだけ快適で効果的な観光体験ができるかを検証しました。主に、電車を利用して訪れる観光客が対象です。
体験の流れ
1.
情報選択:ユーザーは希望するツアーの時間や気分などを選択。
2.
ルートの提案:選択に応じた観光スポットと推奨ルートが表示されます。マップで確認しながらルートを選ぶことができます。
3.
3Dナビゲーション:Google Geospatialを用いて、選択したルートを3Dで案内。迷うことなく散策できます。
検証結果と考察
実証実験を通じて得られた知見として、情報のデジタル化とデータベース化の重要性が浮き彫りになりました。特に観光情報は紙媒体での伝達が多く、情報が一元化されていないことが多かったため、これをデジタル環境下で整備する必要があります。
また、周遊エリアの見直しや、ユーザーの関心を引くためのインセンティブ設計も重要な課題として指摘されました。特に観光客の興味を引くためには、参加者に対してさらに魅力的な体験を提供することが求められます。
今後の展望
デザイニウムは、ARナビゲーションを取り入れ、ユーザーの興味を喚起する新たな機能開発を進めています。具体的には、ゲーム要素を取り入れた体験や、インタラクティブな広告を提案してユーザーの参加を促進する方向性があります。これにより、観光案内アプリがユーザーの訪問・体験を促す重要なツールになることを目指しています。
デザイニウムは、今後もさまざまな観光施設やエリアに対応した柔軟なソリューションを開発し、AI活用による新たな観光体験を提供していく方針です。
企業情報
株式会社デザイニウム
- - 設立:2005年4月8日
- - 事業内容:ウェブサービス、モバイルアプリケーション開発
- - URL:デザイニウム公式サイト
一般社団法人関西イノベーションセンター
- - 設立:2021年2月22日
- - 事業内容:イノベーション創出拠点MUIC Kansaiの運営
- - URL:関西イノベーションセンター
このように、生成AIを活用した観光案内の実証実験は、観光業界における新たな可能性を示すものとして、今後の展開が非常に期待されています。