トルビズオンが進める全国初のドローン活用による災害物資輸送実験

トルビズオンが取り組む新たなドローン物流

福岡市に拠点を置く株式会社トルビズオンは、全国初の試みとして、同社のDJI FlyCart30を活用した災害物資のリレー輸送実験を実施しました。この度の実験は、佐賀県の唐津市と神集島を結び、合計1トンの物資を安全に搬送するというもので、将来的なドローン物流インフラの構築を目指しています。

実証実験の背景

佐賀県唐津市は、官民一体となった「SAGAスマートアイランドプロジェクト」を通じて、離島地域の課題解決に取り組んでいます。このプロジェクトでは、ドローンを用いた物流の効率化や、災害時の迅速な応答を実現することが目指されています。トルビズオンは、地域住民のニーズに基づき、離島の生活を向上させるサポートを行うために、他の企業や自治体と連携し、この重要な実証実験を行いました。

実施内容

2024年8月27日に行われた実証実験では、トルビズオンが所有するDJI FlyCart30を3機同時に使用し、唐津市から神集島へ1トンの水を運搬しました。この間、以下のような検証項目が設定され、データ収集が行われました：

- 物資輸送の速度と能力
- 三機同時飛行時の空路設計
- 通信の安定性と最適化
- 海上での飛行安全性
- 緊急時の自動帰還性能

実験では、3機それぞれがおよそ2分半の時間で、片道1800メートルほどの距離を往復し、最終的に1トンの水を搬送することに成功しました。この間、ドローンのモーター温度も90度台で安定し、安全に作業を進めることができました。

今後の展望

トルビズオンの代表である増本氏は、今回の成果を基に、DJI FlyCart30の技術向上とともに、佐賀県全域での空路整備「S:ROAD」に注力していく意向を表明しています。彼は、既に連携している他の自治体とも協力を強化し、災害時に迅速に物資を供給するための物流体制を構築する考えを示しました。

地域への貢献

今後、トルビズオンはセキド社やアイテム社との連携を深め、離島地域や交通が制約される場所での物流効率化を持続的に進めていく予定です。この取り組みは、地域住民の生活を向上させるだけでなく、緊急時の対応力を強化するものと期待されています。

まとめ

トルビズオンによる全国初のドローンを用いた災害物資輸送の実証実験は、地域の物流モデルに新しい光を与える重要な一歩です。今後もこの取り組みが全国の離島や過疎地の課題解決につながることを期待しています。また、ドローン物流が将来的にどのように発展し、私たちの生活を便利にしていくのか、引き続き注目していきたいと思います。