アルテミラグループ、未来のリサイクルを見据えた投資
最近、アルテミラグループが静岡県小山町のアルミ缶リサイクルプラントに対して、約5億円の大規模な投資を行うことが発表されました。この投資によって、使用済み飲料用アルミ缶(UBC)の処理能力を約15%向上させることが目指されています。この取り組みは、持続可能な社会へ向けた重要なステップとなるでしょう。
アルミ缶リサイクルプラントの概要
アルテミラ・ホールディングス株式会社は、東京都文京区に本社を構え、アルテミラグループを統括する企業です。グループ内には、アルミニウムの専門メーカーであるMAアルミニウム株式会社などが含まれています。静岡県駿東郡小山町に位置するアルミ缶リサイクルプラントでは、グループ会社が一貫してアルミ缶のリサイクルプロセスを担い、新たなアルミ缶を製造するための重要な役割を果たしています。
具体的には、UBCの収集から始まり、前処理、溶解、鋳造、さらには圧延を通じてアルミ缶用板材を生産し、これを再利用するという流れを持っています。実際、アルミ缶製品の約40%はこのリサイクルプラントで生み出された材料から成り立っています。
エネルギー削減の観点からの重要性
再生アルミ材の生産において、特に注目すべきはエネルギー消費の効率性です。UBCを利用した再生プロセスは、ボーキサイトから新しいアルミ材を製造する場合に比べてエネルギーをなんと97%も削減することができます。このような取り組みは、カーボンニュートラル社会の実現に向けた切り札としても期待が寄せられています。
プラントの設備更新と期待される効果
今回の投資によりリサイクルプラントでは、解砕機と焙焼炉の2つの主要設備が更新される予定です。解砕機は、圧縮されたUBCの塊を効率的に砕くことができる新しい技術を採用しており、これにより処理能力はもちろん、工程全体の効率も向上します。これまで別工程で処理していた高圧の圧縮塊も直接投入可能になるため、効率化が図られます。
一方、焙焼炉はアルミ缶表面の塗料を熱分解する設備で、今年1月にすでに更新が完了しています。これらの機器更新を通じて、年間で約5万トンの再生アルミ材を生産する能力が期待されています。
アルミ缶リサイクルの未来
アルテミラグループは「アルミの技術で夢のアルミライを®」という目的を掲げ、常にアルミニウム素材に対する真摯な姿勢を持ち続けています。今回のプラント強化により、グループ全体が循環型社会のリーダーとしての役割を果たしつつ、持続可能な未来を形作っていくのです。
さらには、アルテミラグループのYouTubeチャンネル「プロセスX」では、缶材コイルの製造からアルミ缶のプロデュースまでを紹介する動画が公開されています。リサイクルの全過程を視覚的に理解することで、より多くの人々がサステイナブルな取り組みの重要性を認識することができるでしょう。ぜひご覧ください。