「ウェルビーイング経営」が台頭
2023-11-27 14:30:01

従業員の健康管理:健康経営より「ウェルビーイング経営」が支持される理由とは?

従業員の健康管理:健康経営より「ウェルビーイング経営」が支持される理由とは?



近年、企業における従業員の健康管理への関心が高まり、「健康経営」と「ウェルビーイング経営」という2つの概念が注目されています。しかし、これら2つのアプローチにはどのような違いがあり、従業員はどちらを支持しているのでしょうか?

調査概要

この調査は、東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、愛知、福岡、北海道の1000人を対象に2023年10月23日から26日にかけて実施されました。健康経営を「従業員の健康管理を経営的な視点でトップダウンで実行すること」、ウェルビーイング経営を「従業員が身体的、精神的、社会的に満たされるよう組織環境を整え、社員が自由に利用できる環境・サービスを整備すること」と定義しています。

認知度と経験

健康経営、ウェルビーイング経営ともに認知度は高くありませんでした。健康経営を「知っている」または「詳しく知っている」と回答した人は20.1%、ウェルビーイング経営は16.3%にとどまりました。経験率も健康経営が21.4%に対し、ウェルビーイング経営は8.6%と、健康経営の方が高い数値を示しました。

施策への評価

具体的な施策への評価では、大きな違いが見られました。健康経営の施策への支持率は17.5%だったのに対し、ウェルビーイング経営の施策は83%と、圧倒的な差をつけました。従業員は、個々のニーズに合わせた柔軟なアプローチであるウェルビーイング経営の施策を高く評価していることがわかります。

経営理念への評価

健康経営とウェルビーイング経営それぞれの考え方に対する評価でも、ウェルビーイング経営が優勢でした。健康経営の考え方を支持する人は6.6%だったのに対し、ウェルビーイング経営は80.8%もの支持を集めました。これは、「画一的な健康管理」よりも「個々の健康状態に合わせた柔軟な対応」が求められていることを示唆しています。年代別に見ると、若い世代、特に20代は健康経営への支持率が高かったものの、年齢が高くなるにつれてウェルビーイング経営への支持が高まる傾向が見られました。

支持理由

健康経営支持者の理由は「健康は大切」「強制が必要」といった声が中心でしたが、ウェルビーイング経営支持者の声は「心の健康も重要」「個人の自由」「強制は良くない」といったものでした。これは、健康管理に対する考え方の違いを明確に示しています。

まとめ

今回の調査からは、健康経営とウェルビーイング経営、いずれも認知度、実施率ともに低いことが示唆されました。しかし、施策、考え方ともにウェルビーイング経営の方が圧倒的に支持されていることがわかりました。これは、個人の健康観の多様化、心の健康への関心の高まり、そして個人の自律性を尊重する考え方が浸透しつつあることを反映していると考えられます。92.6%の人が「健康のあり方は人それぞれ」と考えているという結果も、この傾向を裏付けています。今後、企業は従業員の多様なニーズに対応できるよう、より柔軟で包括的な健康管理戦略を構築していく必要がありそうです。

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ZIHEN株式会社
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東京都港区虎ノ門1−17−1虎ノ門ヒルズビジネスタワー15F
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