『#真相』文庫化
2024-06-27 01:54:56

令和ミステリーの新星!結城真一郎『#真相をお話しします』文庫化!

ミステリー界の新星、結城真一郎氏の話題作『#真相をお話しします』が、待望の文庫化を果たしました。本書は、2021年に日本推理作家協会賞を受賞した短編「#拡散希望」を含む、傑作短編集です。

日常に潜む小さな「歪み」を題材に、五つの物語が展開されます。

「#拡散希望」では、島育ちの仲良し小学生四人組が、YouTubeで人気者になることを夢見て、ある事件に巻き込まれていきます。

マッチングアプリでパパ活をする女性、リモート飲み会での三角関係、中学受験と家庭教師の関係、精子提供と殺人鬼など、現代社会で起こりうる様々な問題が、ミステリーという形で描かれています。

結城氏の巧みな筆致によって、読者はそれぞれの物語に引き込まれ、登場人物の心の奥底に隠された真実を探し求めていくことになります。

さらに、本書の特徴として、それぞれの短編に「#〇〇」というハッシュタグが付けられている点も挙げられます。これは、現代社会におけるSNSの影響力と、それが引き起こす様々な問題を象徴的に表していると言えるでしょう。

結城真一郎氏は、1991年生まれの若手作家です。東京大学法学部卒業後、2018年に『名もなき星の哀歌』で新潮ミステリー大賞を受賞してデビューしました。

本書は、彼の才能が光る傑作短編集であり、ミステリーファンならずとも必読の作品です。
『#真相をお話しします』を読了し、現代社会の複雑さを改めて感じました。結城氏は、それぞれの短編に巧みな伏線を張り、読者を翻弄しながら、最後に衝撃的な真実を明かす手法を用いています。

特に印象に残ったのは、「#拡散希望」でした。子供たちの純粋な夢と、それが現実社会の歪みによってどのように歪められていくのかが、痛切に描かれていました。

また、本書全体を通して、SNSが現代社会に与える影響について考えさせられる部分もありました。

現代社会では、情報が瞬時に拡散され、その影響力は計り知れません。結城氏は、その危険性を巧みに描き出し、読者に警鐘を鳴らしています。

本書は、単なるミステリー小説ではなく、現代社会の矛盾や問題点を浮き彫りにする作品だと言えるでしょう。

結城真一郎氏は、今後どのような作品を生み出すのか、非常に楽しみです。

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