法務業務における生成AI活用に関する調査、導入意向高まる

法務業務における生成AI活用に関する調査結果

株式会社LegalOn Technologiesが実施した調査によると、法務担当者の約6割が「今後、生成AIを業務で活用したい」との意向を示していることが明らかになりました。調査対象は法務関連の業務に従事する500名で、現在生成AIを業務で使用しているのは29％という結果でした。

現在の生成AI利用状況

現在業務で生成AIを利用している法務担当者の回答では、主に法的文書の「翻訳」「要約」「ドラフト」が利用の中心となっており、この3つで約45%から43%の支持を集めました。このような結果が示すのは、法務の仕事が持つ特性上、特定のパターンに基づく業務が多く、生成AIとの相性が非常に良いということです。

生成AIの効果と導入意向

調査に答えた法務担当者の68%が「業務効率化」と答え、生成AIを活用することによる「文章作成の手間」の軽減や「翻訳作業の簡素化」も多くの支持を集めています。一方、生成AIを導入していない理由としては、「使用方法がわからない」という声が最も多く、続いて「使用環境が整っていない」ということが挙げられました。

さらに、将来的に生成AIを利用してみたいと回答した法務担当者の意見には、「日常業務が多忙で、本来の業務に集中できない」という声や、「業務負担を軽減し、他の業務に取り組む時間を確保したい」という要望が多くみられました。これらのコメントからも、生成AI導入への期待が見て取れます。

懸念材料と課題

しかし、全てが順風満帆というわけではありません。生成AIを利用したくないと回答した法務担当者からは「誤りが発生しないか再確認する必要があって時間がかかる」「情報漏洩の危険性が気になる」といった懸念も寄せられています。特に法務業務においては正確性と専門性が求められるため、誤った情報の生成に対する不安が大きいことが伺えます。

LegalOn Technologiesの展望

株式会社LegalOn Technologiesのゼネラルマネージャーである弁護士の今野悠樹氏は、「生成AIは今後法務業務での利用がさらに広がると予想している」と述べており、特定の法務業務に特化した機能を持つ生成AIの開発が進むことで、業務の精度向上が期待できるとの見解を示しています。

さらに、同社が提供するAI法務プラットフォーム「LegalOn Cloud」では、契約書の内容を基にした質問応答機能を搭載しており、ユーザーが求める情報を的確に引き出せるような設計になっています。これにより、法務担当者はより専門性のある業務に集中できる環境が整いつつあります。