前田工繊株式会社、2024年6月期の決算発表
2024年8月9日、前田工繊株式会社(本社:東京都港区、社長:前田尚宏)が2024年度(2023年7月1日~2024年6月30日)の決算を発表しました。今回の報告では、売上高、営業利益、経常利益、純利益など、全ての面で前年を上回る成績を収めています。
決算の概要
当期の売上高は55,833百万円となり、前年同期比で11.2%の増加を示しました。利益面では、営業利益が10,736百万円(同26.4%増)、経常利益が11,236百万円(同29.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は7,979百万円(同51.8%増)と、全ての指標で良好な結果を残しました。
ソーシャルインフラ事業の動向
公共工事部門は、盛土補強材で一部納入の遅延があったものの、河川護岸材や海洋土木製品、斜面緑化製品の販売が堅調に推移しました。製造原価の削減や原材料価格の高騰への対応も功を奏し、利益を確保しています。しかし、スパンボンド製品の販売は伸び悩み、医療・衛生資材の受注も落ち込み、関連製品においては厳しい状況が続いています。
加えて、子会社の未来のアグリ株式会社では、獣害対策製品の受注が好調でしたが、園芸用ハウスや農業資材の受注は低調で、全体的な売上は改善されませんでした。一方、未来テクノ株式会社では、防衛省向け製品の販売が順調に回復し、一部大型プロジェクトも受注できたことで業績が向上しました。
海外子会社のMAEDA KOSEN VIETNAM CO., LTD.も、販売量は減少したものの、製造コストの削減効果が利益を押し上げることに成功しました。
この結果、ソーシャルインフラ事業の売上高は31,687百万円、営業利益は6,755百万円となっています。
インダストリーインフラ事業の進展
自動車ホイール事業では、子会社のBBSジャパン株式会社が自動車メーカー向けOEM供給やアフター市場向け製品の販売を好調に行い、海外子会社BBS Motorsport GmbHの成長が業績を大きく押し上げました。これにより、前年同期と比較して売上と利益がそれぞれ大幅に増加しました。
また、未来コーセン株式会社においては、電力費や仕入れ値の上昇が影響を及ぼしたものの、ワイピングクロスの売上回復により全体的な業績は堅調に推移しています。結果、インダストリーインフラ事業の売上高は24,145百万円、営業利益は5,101百万円という成果を上げました。
まとめ
前田工繊株式会社は、1972年に設立以来、社会のインフラ整備へと取り組んできました。今回の2024年度の決算発表により、特に公共工事の分野での成長が見られる一方、医療用材料などでは厳しい状況が浮かび上がりました。今後も、地域社会の安全と豊かさに貢献する企業としての役割を果たしていくことが期待されます。詳細については、2024年6月期の決算短信をご確認ください。