ルイ・ヴィトンの新たな旅を描いたフォトブック
この春、ルイ・ヴィトンから発刊された「ファッション・アイ」シリーズの最新作が、大阪を舞台にした一冊です。このフォトブックは、フランスのフォトグラファー、ジャン=ヴァンサン・シモネが手がけたもので、サイケデリックな大阪の魅力を余すところなく捉えています。
フランス人フォトグラファーが見た大阪
シモネは大阪の街を、ただ美しい風景としてではなく、独自のフィルターを通して登場人物や風景を描写します。彼のカメラを通して、私たちは水族館やカラオケバー、ショッピングセンター、そして神社といった、ありとあらゆる大阪のスポットを目にすることができます。彼はまるで、著述家ギー・ドゥボールの弟子のように街を彷徨い、その中で何が得られるのかを楽しみながら、自身を委ねていきます。
大阪の街では、人々の営みと建物が交錯し、常に新たな発見が待ち受けています。シモネの目には、ダリアの花や様々な人々、ビル群が視覚的にぶつかり合い、独自の進化を遂げていく様が映し出されています。彼の作品は、単なる写真ではなく、私たちにその場にいるかのような感覚を与えてくれるのです。
サイケデリックなビジュアル
フォトブックの中では、大阪をサイケデリックに、そして夢のように描写したビジュアルが数多く収められています。これらは、まるでビデオゲームの中から飛び出してきたかのように鮮烈で、時には幻覚的な魅力を持っています。シモネは、昼夜を問わず望遠レンズや大判カメラ、スマートフォンを使って独自の視点で撮影された写真を愛しています。これらの写真は、反骨精神に満ちた大阪の「質感」を表現し、その美しさを際立たせます。
今作に収められた絵画的イメージは、7種類の異なるインクを用いて印刷され、まるで巨大なコラージュのように変化していきます。そんな中には、著名な建築家安藤忠雄や漫画家手塚治虫に触発された要素も見受けられ、アートとストーリーが融合しています。
仕様と販売情報
このフォトブックは、112ページにわたり88点の写真が収められ、エンボス加工が施された美しいハードカバー仕立てです。テキストはフランス語と英語の2カ国語で表示され、デザインにはFuturaフォントが用いられています。価格は税込6,820円で、ルイ・ヴィトンの公式ウェブサイトや一部の書店で購入可能です。
シモネの背景と作品
ジャン=ヴァンサン・シモネは、1991年にフランスのブルゴワン・ジャリューで生まれ、現在はパリとチューリッヒを拠点に活動しています。彼の作品は、写真や絵画、先端技術を融合させた実験的なもので、従来の枠にとらわれない新しい視点を提供しています。彼はこれまでに多くの著名な雑誌やブランドでキャンペーンを手掛け、その独自のスタイルを確立しています。
ルイ・ヴィトンの「ファッション・アイ」シリーズは、旅の新たな魅力を引き出す一冊であり、アートとストリートカルチャーが融合した新しい視点を提供しています。この作品を通じて、大阪の魅力を再発見することができるでしょう。