EYE VDJ MASAが挑む新たなライブパフォーマンス
一般社団法人WITH ALSの代表理事である武藤将胤(EYE VDJ MASA)が、AIやロボットアームを活用した新たなライブ表現に挑戦します。これは、ALS(筋萎縮性側索硬化症)に苦しむ武藤氏が、自身の身体的制約を乗り越え、表現の可能性を最大限に引き出すために始動した「Brain Body Jockey(B2J)プロジェクト」の一環です。
このプロジェクトには、株式会社KiQや慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科(KMD)、AXEREAL株式会社と連携した新たな取り組みが含まれています。主な目的は、脳波によって動くロボットアームによる身体表現と、AIが再現する自身の歌声を融合させ、より自然で感情豊かなライブパフォーマンスを実現することです。
新たな技術の融合
1. AI音声合成の進化
まず、アメリカ・イギリスに拠点を置くAI企業ElevenLabsとの協業によって、新曲『VOICE』の製作が行われます。この楽曲は、武藤氏の過去の会話音声を基にAIが歌声を再現したものであり、これによって武藤氏は「自分自身の歌声」でメッセージを届ける新しい表現を試みることができるのです。
2. KiQとの役割分担
次に、株式会社KiQが新たに参画し、武藤氏にとって「本人らしい所作」をロボットアームに組み込むことを目指します。これにより、ロボットアームは武藤氏の意思や感情をより正確に表現することが可能になります。菊地あかね氏との創造的な連携により、ロボットアームの動作が武藤氏の感情を反映したものになることが期待されています。
3. KMDによる身体の拡張
加えて、慶應義塾大学KMDとの連携による拡張身体の操作技術も大きな役割を果たしています。これにより、武藤氏の意図や感情がより直感的にロボットアームに伝わり、ステージ上での動きが多様化することで、観客に新たな体験を提供します。
未来を見据えた挑戦
このプロジェクトが目指すのは、単なるライブパフォーマンスの進化にとどまりません。ロボットアームを通じて、使用者本人の意思や感情を表現する研究も進めます。将来的には様々な身体条件に合わせた所作設計や評価メソッドの構築を目指し、グローバルスタンダードを確立することを計画しています。
特に、身体機能が制約された人々も自己表現やコミュニケーションを自由に楽しむことができる社会を目指し、バリアフリーな環境を作り出そうとしています。
ちょもろー2026での発表
このプロジェクトの成果は、2026年11月8日に東京・竹芝で開催される「ちょっと先のおもしろい未来2026(ちょもろー2026)」で披露される予定です。ステージプログラム「B2J ちょもろーLIVESTAGE」では、最新技術を駆使したライブパフォーマンスが行われ、観客は新たな身体表現を体験することができます。
このような取り組みは、ALS当事者だけでなく、全ての人にとっての新しい可能性を示すものです。エンターテインメントとテクノロジーが交差する場所で、どのような未来が待っているのか、期待が高まります。