脱炭素社会に向けた新たな選択肢!軽油代替燃料「HVO」がエコマーク認定を取得
公益財団法人日本環境協会は、軽油の代替燃料として注目される「HVO(水素化植物油)」が、同協会が定めるエコマーク認定基準を満たし、認定を取得したことを発表しました。これは、エコマーク商品類型「油脂から生成した炭化水素から成るバイオディーゼル燃料」において、初めての認定商品となります。
HVOは、廃食用油や植物油、藻類などの油脂を水素化処理することで得られる、軽油とほぼ同等の特性を持つ燃料です。近年、環境負荷の低減と資源循環の推進を目的として、その開発と普及が進められています。
HVOがエコマーク認定を取得した背景
エコマークでは、2017年から廃食用油を使用したバイオディーゼル燃料の認定を行ってきました。しかし、近年、より環境負荷の低いHVOのような燃料が開発され、その普及が期待されていることから、2023年1月に新たに「油脂から生成した炭化水素から成るバイオディーゼル燃料」の認定基準を制定し、HVOの認定を開始しました。
HVOがエコマーク認定を受けるための要件
HVOがエコマーク認定を受けるためには、以下の要件を満たす必要があります。
廃食用油などの廃棄物または藻類由来の油脂を70%以上使用していること
ライフサイクル全体での温室効果ガスの排出量が、代替する化石燃料の軽油と比較して少ないこと
* 「揮発油等の品質の確保に関する法律」(品確法)などの公的な品質規格に適合していること
HVOの環境貢献
HVOは、廃棄物を原料とすることで資源循環を促進し、温室効果ガスの排出量削減に貢献します。また、軽油と比べて環境負荷が低いため、地球温暖化防止にも効果が期待されています。さらに、HVOは軽油とほぼ同等の性能を持つため、既存のエンジンや燃料供給設備を変更することなく使用できます。
今回の認定商品
今回エコマーク認定を取得したのは、伊藤忠エネクス株式会社が販売する「リニューアブルディーゼル」です。同商品は、廃食用油などを70%以上使用し、欧州の再生可能エネルギー指令(RED)に基づく認証制度で承認された第三者認証を受けています。
まとめ
HVOは、環境負荷の低減と資源循環の促進に大きく貢献する燃料として注目されています。今回のエコマーク認定は、HVOの環境性能の高さを示すものであり、今後、HVOの普及がさらに加速することが期待されます。