レストアビジョンが実現する視覚再生治療
株式会社レストアビジョンは、最近18.7億円の資金を調達し、主力製品であるRV-001のグローバル開発を進めることを発表しました。これは新たな視覚再生治療の実現に向けた重要なステップです。
資金調達の背景
今回の資金調達はシリーズAラウンドとして行われ、調達した資金は主に、プライマリーパイプラインであるRV-001の開発費用に充当されます。また、研究開発を支えるための費用や経営管理体制の強化、人員の拡充にも用いる予定です。
レストアビジョンは、国立研究開発法人 日本医療開発機構(AMED)が支援する創薬ベンチャーに採択されており、リード投資家であるRemiges Venturesを含む認定ベンチャーキャピタルからの資金を調達することで、数十億円規模の開発資金を確保しています。この支援によって、グローバルな臨床試験の準備を加速する計画です。
RV-001とは
レストアビジョンのリードパイプラインであるRV-001は、独自の光センサータンパク質「キメラロドプシン」を搭載した遺伝子治療薬です。視細胞が消失する網膜疾患を主な対象として、簡単かつ低侵襲な硝子体内注射による投与が可能です。この治療法により、残存する神経細胞にキメラロドプシンを発現させ、視覚再生を実現します。
特に網膜色素変性症は、日本における失明の主な原因の一つであり、グローバルに数百万人が苦しむ疾患です。レストアビジョンは、早期にRV-001の臨床試験を開始し、視覚再生遺伝子治療という新たな治療法を世界で初めて実現しようとしています。
会社の成り立ちと展望
レストアビジョンは、慶應義塾大学と名古屋工業大学の共同研究の成果を基に、2016年11月に設立されました。設立以来、網膜疾患による失明患者の視覚再生を目指し、患者主体の治療提供をミッションに掲げて開発を進めています。日本発の遺伝子治療技術を産業化し、日本社会や経済に貢献することを目指しています。
今後の計画
資金調達後、レストアビジョンはRV-001の製剤開発や非臨床試験を加速させ、臨床試験の早期実施を視野に入れています。この取り組みは、視覚再生という分野において新たな可能性を切り開くものと期待されています。今後も注目される企業として、レストアビジョンの進展から目が離せません。
会社概要
- - 社名: 株式会社レストアビジョン(Restore Vision Inc.)
- - 本社所在地: 東京都港区虎ノ門1-17-1虎ノ門ヒルズビジネスタワー15階
- - 代表者: 堅田侑作
- - 設立: 2016年11月14日
- - 事業内容: 再生医療等製品の研究・開発
- - ウェブサイト: レストアビジョン公式サイト
レストアビジョンが描く視覚再生治療の未来。果たして、どのような成果が待っているのか。我々はその進展を見守ります。