国内初の実証実験「DJI FLYCART 30」
2023年10月29日、島根県出雲市で行われた物流ドローン『DJI FLYCART 30』を異例の形で活用した実証実験が注目を集めています。この実証は、LTE回線を用いたレベル3.5飛行による物資輸送を成功させた、国内で初めての試みです。
実証実験の概要
この実証実験は、過疎地域や災害時における物資輸送の新たな手法を探求することを目的としており、特に陸上交通が難しい条件下での運用を目指しています。実施は島根ドローンサービスセンター(有限会社ヒラオカ)の主導のもと、出雲市の西園町から大社町まで約8,000メートルの飛行が行われました。
使用したドローン
使用されたドローンは、DJIが誇るFLYCART 30で、最大40kgの積載能力を持つこの機体は、今回の実証実験において11kgの水や食料、日用品などを運搬しました。飛行は19分間にわたるもので、当日の天気は曇り、風速は地上で東からの4m/s、気温は19℃でした。
目的と意義
本実証実験は、特に災害現場における物資輸送のスピードや効率を向上させるための新しい物流システムの導入を促進することを目指しています。LTE回線を利用したレベル3.5飛行は、高度な遠隔自動航行を実現するもので、将来的にはさらに広範囲での活用が見込まれています。担当者は「今回の実証をもとに新たな飛行ルートを検討し、VTOL機による長距離輸送の可能性も追求していきたい」と語りました。
今後の展望
今回の実証実験の成功を受けて、島根ドローンサービスセンターは、他の企業や自治体との連携を図り、より効果的で効率的なドローン輸送のシステム構築を進める意向を示しています。これにより、ドローン物流が地域のインフラとして成長していくことが期待されています。
島根ドローンサービスセンターについて
島根ドローンサービスセンターは、出雲市内に位置する国土交通省認可のドローン国家資格取得講習機関です。ドローンに関する各種講習や業務請負を行っており、DJIの正規販売サポートも展開しています。技術の進歩と共に、同センターは地域へのドローンの活用を推進し続けています。
このような取り組みを通じて、島根県が誇る新たな物流の可能性が広がっていくことを期待しましょう。