汗冷え対策にウール
2025-01-21 10:34:14

ウールの効果で夏場の「汗冷え」を軽減する研究成果

夏の悩み「汗冷え」を解消するウールの実力



夏は蒸し暑さを感じる一方で、エアコンの効いた室内に戻ると急に冷えを感じることがあります。この現象は「汗冷え」と呼ばれ、特に女性たちからの注目を集めています。しかし、その理由や対策についてはあまり知られていません。そこで、日本毛織株式会社(以下ニッケ)と金城学院大学・平林研究室が共同で行った研究が新たな光を当てることとなりました。

この研究は、人台を使用したモデル実験と実際に人が着用する実験を通じて、ウールが汗冷えを軽減する可能性を示唆しています。これまで汗冷えに対する研究は乏しく、エビデンスに基づく対策が求められてきましたが、ニッケの研究成果がそれに応える形となりました。

「汗冷え」とは何か



汗冷えは、外気の温度が高い日中に外出し、その後に冷房が効いた室内に戻った際に体が冷えつつある状態を指します。その原因は主に2つあります。一つは、濡れた衣服が熱を伝えやすくなること、もう一つは濡れた衣服が乾くときに熱を奪うことです。これにより、汗をかいた身体が急激に冷え、不快感を伴います。

研究の概要



ニッケは金城学院大学と共同で、汗冷えの環境を再現するためのモデル実験と、実際に衣服を着用した実験を行いました。試料には「ポリエステル」「綿」「ウール」の3つの素材を使用し、その特性を比較しました。

モデル実験の結果



実験では、人台に衣服を着せ、模擬的な汗をかく状態を作り出しました。その結果、ウールは他の素材と比較して、「衣服内温度」「衣服表面温度」「ボディ表面温度」が最高で、湿度も80%以下で早く低下することが分かりました。特に、汗を吸収しながらも蒸れ感を抑える特性はとても印象的でした。

着用実験の成果



着用実験では、被験者が自転車運動を行った後、扇風機の冷風にあたることで、衣服内の温湿度の変化を測定しました。この結果、ウールは綿やポリエステルに比べ、体温が早く上昇し、湿度の上昇も少ないことが分かりました。主観評価では、ウールが他の素材よりも冷たさを感じにくいという結果が得られ、着用者の快適さを高める可能性を示しました。

課題と今後の展望



今回の研究により、ウールが夏場の汗冷えを軽減する可能性が示されましたが、製品化には至っていません。ニッケでは、次のステップとして、ウールの特性を最大限に活かした製品の開発を計画しています。また、冬場の汗冷えに対するウールの効果についても研究を進める予定です。これにより、季節を問わず快適に過ごせる衣類の提供を目指します。

会社概要



日本毛織株式会社は、大阪市中央区に本社を置く企業で、繊維業界での革新を追求しています。彼らの公式ウェブサイトでは、最新の研究や製品情報を随時更新しています。

HP: 日本毛織株式会社

この研究成果は、今後の衣料品選びに新たな選択肢を提供することでしょう。優れた機能性を持つウールを利用した製品が市場に登場する日を、私たちも心待ちにしています。


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会社情報

会社名
日本毛織株式会社
住所
大阪府大阪市中央区瓦町3丁目3-10
電話番号
06-6205-6666

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