京王エージェンシーとジーニー、デジタルサイネージの価値を可視化する実証実験開始
2023年に入り、企業のデジタル広告への注目はますます高まっています。この流れを受けて、京王エージェンシーとジーニーが提携し、広告の新たな価値を測定するための実証実験を開始しました。この取り組みは、デジタルサイネージの広告がどれだけの視認者に届いているのか、その効果を明らかにすることを目的としています。
背景と市場の現状
2020年度におけるデジタルサイネージ市場は、前年から122.4%の成長を見せ、2840億円に達する見込みです。来年度にはさらに成長し、4180億円に達することが予測されています。これに伴い、広告主はデジタルメディアを通じて、より効果的にターゲット層にアプローチする方法を模索しています。このような背景の中で、京王エージェンシーとジーニーは、広告の視認可能者数やその属性を実証的に評価する方法を探ることにしました。
実証実験の詳細
今回の実証実験は、京王井の頭線の下北沢駅および吉祥寺駅のデジタルサイネージ、具体的には「下北沢K-DGボード」と「吉祥寺K-DGボード」で実施されます。これらのボードにはWi-Fiスポットが設置され、収集されたデータは個人を特定できない形で匿名化されます。
Wi-Fiによる集計データを用いて、広告の視認可能者数、年齢、性別、居住地などの属性分析を行います。こうしたデータを活用することで、各広告メディアの効果をより明確にし、広告主のニーズに応える商品開発の基礎とすることが狙いです。
特に、オーディエンスに適した広告商品やプログラマティック配信の検証を行うことで、より柔軟で効果的な広告配信を可能にします。
企業の役割
実証実験の主体は京王エージェンシーで、同社がプロジェクトを主導します。一方、ジーニーは広告配信プラットフォームの開発を担い、シナラシステムズジャパンが位置情報データの提供と統計処理を行います。これにより、データの匿名性が確保された上で信頼性の高い情報収集が実現されます。
協力企業として、京王電鉄は設置場所の提供を通じて実験を後押しします。このように、多くの企業が役割を分担し合い、新たな広告価値の実証に寄与することになります。
京王エージェンシーとは
京王エージェンシーは、広告事業のみならず、コミュニケーション全般に関わるサービスを提供する総合広告代理店です。「すべての人を、最高のアイデアで、幸せにする」という理念のもと、革新的な商品やサービスを追求しています。1986年の設立以来、多様な分野での成功事例を積み重ねています。
会社情報
- - 代表者: 岡村達矢
- - 本社所在地: 東京都新宿区西新宿2-4-1 新宿NSビル23階
- - 事業内容: 総合広告代理業、サイン&スペースデザイン
ジーニーの役割
ジーニーは、デジタルマーケティング分野での専門知識を活かし、クライアントの成功をサポートする様々なソリューションの開発を行う企業です。特にデジタルサイネージ分野へのアプローチを積極的に進めており、「テクノロジーで新しい価値を創造する」というミッションを掲げています。
会社情報
- - 代表者: 工藤智昭
- - 本社所在地: 東京都新宿区西新宿6-8-1 住友不動産新宿オークタワー6階
- - 事業内容: マーケティングテクノロジー事業
今後の展望
今後も京王エージェンシーとジーニーは、広告業界全体の発展に貢献するため、より効果的なサービスを提供していく方針です。この実証実験を通じて得られた知見が、広告主や消費者の双方にとって有益な未来を築く一助となることでしょう。新しい時代の広告の形が、ここから生まれることを期待しています。