広島の伝統技術が生んだ新しい祈りの形「花遍路」シリーズ
標題にある通り、広島県の菩提樹が新たに発表したのは、現代生活に適した祈りの空間を提案する「花遍路(はなへんろ)」シリーズだ。これは、広島金仏壇の伝統技術である「金組子」を活用した製品群であり、特に家の中に仏壇や神棚を置く場所が限られている今日において、より多くの人々が祈りを捧げられる環境の創出を目指している。
現代にも響く祈りの声
核家族化や一人暮らしが増える中、「祈りたいけれど祈る場所がない」という声が多く聞かれる。こうした状況を受けて、この新シリーズが企画された。このアプローチは、顧客のニーズに寄り添った具体的な提案であり、伝統技術を生かしたデザインが魅力的だ。
「金組子」の美しさと多様性
「花遍路」シリーズの核心とも言える「金組子」は、まさに広島金仏壇の象徴的存在だ。金箔を使用した美しい組子細工は、全国でも他に類を見ない独特な魅力を持っている。特にこの技術は、広島の職人だけが受け継ぎ、他の地域では見ることができない貴重なものである。最近では全国の仏壇製造業者が「金組子」を必要とする場合、すべて広島に依頼している。
製品のデザインには、縁起が良いとされる「胡麻の葉柄」や「麻の葉柄」、「四神」などが取り入れられており、それらが「金」と「桐」と組み合わさることで、より大きな霊的な力を持つとされる祈りの空間が生まれている。
多彩な製品ラインナップ
「花遍路」シリーズは、様々な祈りの空間を形にした製品を展開している。
1.
護符箱(まもりばこ):
八角形のデザインを持つ護符箱は、運気を呼び込むための空間。「麻の葉柄」、「金」、「八角形」といった意匠が組み合わされています。
2.
護子箱(こもりばこ):
子供の護りを意識した箱で、「麻の葉柄」に加え、「金」と「桐」を使って、しっかりとした保護が施されています。
3.
長寿箱(ちょうじゅばこ):
長寿を願ったデザインが特徴。こちらも「胡麻の葉柄」と「桐」で構成され、慎重に設計されています。
4.
遍路箱(へんろばこ):
地蔵の梵字を用いた構造で、大切なものをしっかりと守るために設計備えられています。
5.
四神皿(ししんざら):
古代中国の神話からインスパイアされたデザインが施されたお皿。東西南北を守る四神が描かれ、また「麻の葉柄」との組み合わせにより、霊的な力が強化されています。
伝統技術を未来へつなぐ
広島では明治から大正にかけて金仏壇の生産が栄華を極め、全国一の生産量を誇っていた。しかし、時代の流れと共に市場は縮小し、仏壇業界も厳しい状況に置かれている。今やその製造を行う職人は非常に限られた数に過ぎない。それでも、広島の人々は毎年8月6日に手を合わせ、深く根付いた祈りの文化を守り続けている。
「花遍路」シリーズは、こうした失われつつある伝統技術を大切にしながら、現代生活に溶け込み、実際にニーズを満たすための新しいアプローチを示している。この姿勢は、過去の栄光に甘んじることなく、新しい未来を切り拓くものである。
事業概要とお問合せ
このように「花遍路」シリーズは、広島の文化を背景に持ちながら、現代の生活にも寄り添う新しい祈りの形を提供するものとして注目されている。